前回の話

 

 




障害者施設でお仕事をしていた頃、
長女が中学3年で受験生だった。

高校受験・・・

そうだ、私は高校を中退した。
だから中卒。

自分の子供がもうすぐ高校に入る。

別に普通のことなのに、
謎の負けず嫌い根性が
少しづつ顔を出す。


え?どうでもいいじゃん。
そんなこと・・・

とは思いつつも、
なんだこれ?

先に高卒の資格を取ろうかと
そんなふうに行動していた。

アホだ。。。。

娘に負けたくないって?!
自分でびっくりする。

あっという間に日程や案内を調べ尽くし、
中退してから一度も入ったことのない
遠い昔に通った高校へ足を踏み入れる。


懐かしさなどは全くなくて
どっか知らない学校みたいな気分だった。

どんだけ薄い学校生活・・・


知ってる先生なんかすでにいないし
事務の人と事務的な話のみ交わし
必要な書類を郵送してもらうことにした。


後から送られてきた書類を見ると、
足りないのはたった1教科だった。


だけど、めっちゃ興味のない日本史。

うん、かなりヤバイ。

大河ドラマにも全く興味持てない私。
記憶にあるのは水戸黄門のみ。



そんな感じでも

自分の行動力が
信じらないくらいにパワフルだった。

謎の焦燥感に駆られて
本屋で問題集を買いまくる。



朝起きてバタバタと長女を学校へ送り出し
保育園へ次女を連れて行き
障害者施設で仕事をする。

終業になったら
次女を保育園に迎えに行き、
夕飯を作り、家事をして
次女を寝かせるまでバタバタ動き、

全てが終わってから
布団の上で日本史の勉強をした。

数ヶ月その生活をずっとずっと続けた。

思い込んだら一直線。

時にこれは
あまり良くない結果になることもあったけど

勉強には向いていた。


そして迎えた試験日。

よく覚えていないけど
合格通知が手元にあるから
合格したのだろう。


で、自分の子供よりも先に
高校卒業と同等の資格を手にした私。

もうそれだけで満足していたのだ。

この話、今思えばものすごく恥ずかしい。

子供に負けたくない親って・・・

子供よりも絶対に先に・・・って・・・

どんだけ負けず嫌いなんだろう。
どうでもいいことなのに・・・

だけど、その時の私には
どうでもいいことではなかったのだろう。

こんなんでも2人の娘の母なのだから
人間ってちゃんちゃらおかしな
生き物だなってつくづく思うのだ。

そして私はそんなアホで素敵な人間だ。

そんな自分を恥ずかしいと思いつつも
結構好きだ。


続く