私のごはん

ぼくはガス切断器の修理や、改造をして生計を立ててます。

だから #わたしのごはん の種なのです。

 

実はぼくたちの技術はあまり世間に知られていません。

【ガス切断器】自体も世間に

知られていないのではないでしょうか?

 

ガス切断器とはかんたんに言うとガスで鉄を切る道具です。

使われる場所がビルの解体、鉄道のレールの解体、自動車の解体

あらゆるところで使用されています。

 

ガス切断器自体は19世紀後半に発明された物です。

純酸素とアセチレンガス、もしくはLPガスが使われます。

 

19世紀後半に発明された物がなぜ今も使われているのか?

というと利便性が高いからです。

 

現代だとレーザーで切ったらいいんじゃない?

電気の技術があるからなんとかできるんじゃない?

と思いがちですが、

未だに出来ていないのです。

 

それはコストの問題です。

近い製品、レーザー切断器はありますが、

電力を相当に消費します。

しかもレーザー切断器自体大きくて

切断する箇所に持って行くまでが大変です。

 

まず電源をどう確保するかで計画はストップしますね。

 

その点19世紀後半に発明された【ガス切断器】は

ガス容器こそ重いですが、

一旦所定の場所に置けば楽です。

 

ガス容器から長いホースでつなげば

ガス切断器自体は軽いのです。

 

 

切断する現場まで

容易に運ぶことが出来、

切断の上手い人なら30cmの鉄板まで切ることが出来るのです。

 

 

現場では大人数ガス切断器を扱える職人さんたちがいます。

 

ところが、

ガス切断器の扱いが上手い人と、

あまり上手くない人がいます。

 

ガス切断器は逆火、失火現象という物があります。

※常におきるわけではありません。

 

鉄を切断していると、細かいスパッタや煙が

ガス切断器の先端についてガスを放出する穴に

くっついたり、酸素とアセチレンの混合状態が変わると

【バチン!】と大きな音と共に

火がガス切断器の中に逆流してくることがあるのです。

 

これを【逆火】といいます。

 

このときすぐに

1.高圧酸素のバルブを閉じる

2. 混合のバルブを閉じる、

3. ガスのバルブを閉じる。

 

これを素早くやらないとガス切断器が溶けてしまいます。

【ガス切断器の故障】となるわけです。

 

ぼくは、その故障を修理して生活をしているのです。

最近は周り中から仕事が減ったと言われますが、

修理業者さんもかなりご引退されたので、

極端に仕事は減ったとは思いません。

 

修理業者さんも大体が85歳くらいでしょうか?

悲しいことに、皆いなくなってゆきます。

 

 

 

ぼくは江東区で最後のガス切断器の修理屋さんから

技術を学んで仕事をしています。

 

当時、採算なんか考えもせず、

技術が無くなるのがとても悲しく、

勿体ないと思ったのです。

 

ガス切断器の修理の技術なんてどこ行っても

教えてくれません。

 

教わっておいてよかったです。

 

 

江東区で最後のガス切断器の修理屋さんに

感謝しながらこの記事を書いています。

 

 

これはガス切断器の器頭(きとう)と呼ばれている部品です。

最近は部品供給が悪く、特に原材料の高騰で、

この部品だけでまともに買うと5000円位してしまいます。

 

なんとかならないものかと

昔やっていたCADを引っ張り出して

モデリング化しているところです。

 

 

 

 

 

 

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