ろう付けの基礎知識 酸化皮膜

 

ろう付けするとなぜ金属に付くのでしょうか?

ここでは顕微鏡レベルでのかんたんな説明です。

そう言われてみれば、なんでろう付けが出来るんだろう?

 

通常の金属の表面

通常は常温は下記のようになっています。

金属の表面は酸素と結合して酸化しているのです。

金属表面は酸化皮膜で覆われています。

フラックスを使った金属の表面

ろう付けは酸化を嫌いますので

フラックスを使います。

 

 

フラックスによって、酸素原子が母材から取られ、

母材上をフラックスが覆っていることになります。

 

フラックスで金属の表面にぬれをつくる(加熱する)

金属表面を酸化させないつまり

酸化皮膜を取り除く目的で

フラックスを塗ります。

 

 

溶けたフラックスが金属表面をおおうと

酸化物中(金属表面の酸化皮膜)から酸素が吸い取られます。

金属原子だけの状態になります。

ぬれをつくる(加熱し続けた状態)

加熱(ぬれをつくった状態)し続けると

母材の原子とろうの原子が引き寄せられ結合するのです。

 

ぬれが出来てからろう材を付ける

 

 

ろう原子と母材原子が入り交じった

合金層(拡散層)が出来る

 

 

 

これでろう材が合金層(拡散層)の上に密着します。

ろう付けの時に覚えること

  1. 常温では金属の表面は酸化皮膜である。
  2. 金属の上に汚れがあるとろうが密着しない(はじく)
  3. 油分、酸化スケール(水垢)を取り除く