先日、前回の手術の時の
病院側のミス(と私が感じていること)への
説明会を病院が開いてくれました。

三週間の入院中、
手術直後のシバリング、
手術室担当看護師の「たくさん失敗した」会話、
術後二日目・四日目の痛み止めの処方忘れや
再手術の時、レントゲンももう一度オーダーされたこと
インフルの院内感染やその対処など
「え?」と思うことが多かったので
「患者相談窓口」にお手紙渡していたのです。


形成外科の若い担当医と、その指導医、
看護師長と手術室担当の看護師長。
四人の方々が顔を揃えて
私の疑問・質問・抗議に答えてくださいました。

ところどころ説明が
私の認識していた事実と違ったり
言い訳っぽくなるのは残念でしたが
基本的には

「ご不快な思いをさせてしまい
申し訳ありませんでした。
今後この点につきましては
〜〜のように改めます。
ご指摘ありがとうございました」

と謝罪して頂けました。



特に再手術におけるレントゲンの再オーダーは

「こちらはご指摘の通りで
手術のオーダーをすると自動的に術前検査の
レントゲンがオーダーされたのだと思いますが
これは僕(指導医)がチェックして取り消すべきでした。
結果的にレントゲンをとられなかったのは
良かったですが、今後このようなことがないように
ダブルチェックを心がけます」

指導医の先生が謝ってくださいました。



あと興味深かったのはインフルの検査が
後手に回ってしまったことと
四人部屋を個室に変えて頂けなかったこと
に対する説明。

インフルの発熱については
私の再手術直後のことであり
「術後の反応性の発熱」が一番疑わしかったこと。


「再手術をするくらいですから
感染症がまず疑われていました。
それに対しては化膿止めを点滴するなど
医師として考える最善手を打っています。

今はインフルに罹患していたことがわかっているから
じゃぁ、なぜインフルの検査をしなかった、
と言われますがそれは後出しです。

患者さんは、身体が弱っていた。
ご自身の自覚ではお元気だったかもしれないけれど
癌にもかかっているし三度目の手術です。
僕たちとしては一番可能性が高くて
なおかつ手を打たなければならないことに
優先順位をつけながら対処していく。
その判断は僕たちの知識と経験を総動員して
当たっているのです」


そう説明してくれました。

若い担当医は
「今の医療の限界です」
とまで口にされました。

医師が疑う方向で検査をしたり
治療をして行く。
私の場合、疑わしきは感染症であり
インフルではなかった。

こういう場合、インフルの可能性も捨てきれないから
否定のために検査しておこうか、とはならないそうです。
過剰な検査や治療を避けるためにも
今の日本の医療の方針として
それはやってはいけないことになっている。

否定のための検査をしなかったことを責められても
「それは今の日本の医療の限界です!」
若い担当医はそう叫びました。

私はなるほど、と思い

「確かに抗生物質の点滴は
再手術になる少し前から毎日受けました」

というと、
若い担当医は大きく頷き返してきました。


四人部屋から個室に移らなかったのは
感染病を束ねる局から
四人部屋なら飛沫感染のインフルはうつらないから
感染者にマスク着用をしてもらえばそれで十分、
との判断があったとのこと。

それならそう説明して欲しかった、
私だけでなく同部屋の人にも全員に
「大丈夫ですよ」と説明して欲しかった、
気を使って退院を急いでしまいました、
と私が言うと

「そういう啓蒙もするべきでした。
至らず申し訳ありません」

と言って頂けました。


でも、同部屋の方、誰も
インフルにはならなかったそうです、
良かった。



最終的に

「この病院で手術・入院するのは三度目で
前二回はなんの問題もなく快適に過ごせたのに
なぜ今回は、数回に渡りミスが重なったのでしょう?」

と尋ねると
指導医の先生が

「それは、前二回はパス通りの診療だったから
スムーズにいったのでしょう」

と言いました。

「パスってわかりますか?
クリニカルパス。
要は標準的な治療法、対処法が確立されていて
医師も看護師も慣れているということです。

今回はイレギュラーな手術であり
(インプラントの下に得体もしれないモノが出来て
それをインプラントごと抜去するという。
出てきたモノはその病院では初めて見るもの。
まだ病理結果が出ていないほどです)
その後の再手術もイレギュラーなものだった。

本当に手探りしながら進んできたのです。
そうなったときに綻びが出てきてしまった、
そういうことだと思います。

いずれにせよこのようなことがないように
ダブルチェック、トリプルチェックをして
僕たちのマンパワーで防いでいくしかありません。
すぐに改善出来るとは言えないこともありますが
病院内で問題点を共有して改善していきます」


そう説明してくださいました。



病院不信に陥りかけていましたが
小一時間かけて丁寧に説明して頂けたので
私としても、病院への信頼を取り戻しました。

入院中、気力が途切れて
病院に質問したり要望を出したり出来なくなっていたので
もっとちゃんとコミュニケーションを取ればよかった、
そうも思いました。






もう手術なんてしたくないけど(苦笑)
これからも長くお世話になる病院を
もう一度信頼できるようになって
私にとって良かったです。




次の診察は、なんと五月末。

病院通いが二か月もあくなんて久しぶり。
それもとても嬉しいのでした(*^^*)