東京 風 鋭く だるく 1 | 夜は悩め!

東京 風 鋭く だるく 1

5月一日に、某携帯通信事業会社の一次選考会である
グループ・ディスカッションに参加するため上京。

本当は、4月中ごろに予定していたのであるが、
惰性・怠惰が長所である私は、得意の妄想を巡らし、たぶんその日はいろいろとすることがあるだろうと「あかん、この日忙しいわ。」と一人ごつをぽつりと洩らし東京行きを先送りにしてきたのである。

しかし、時の経つのはおっそろしく早いもので、気がつきゃぁ、お前さん、もう一次選考の最終日が近いじゃねぇか。これ逃したら、せっかくエントリーシートなどどいう小賢しいものに莫大な労力・知力・電力という費用を博打のごとくかけたのに、まるで意味がなくなってしまうじゃないのさ。

そうなれば私は、めんどくさいという理由で、選考試験を受ける権利を失った大馬鹿者と後ろ指をさされながら、鼻であざ笑われながら、お日様に顔を向けることができず、商店街の路地裏のゴミ箱を野良猫とともに漁る生活をしなければいけなくなるではないか。まさに負け犬、人生の落伍者に成り下がってしまう。

うむ、ここは一発奮起して大都会東京に行ってやろうじゃないのさ!待ってろよ、TOKYO!と奇声を発しほざいたはいいが、東京行きは3日後に迫っているのである。

しかししかし、まだ行き帰りの方法・手段・措置をとっていなかった私はあわててネットで一番安く仕上がる方法を検索。
夜行バスが最適・素敵であると判断し、空席状況を確認したが
どれもこれもかしこも×印。訝る私。答えは明白。
大型連休であったからであるよ。ニーハオ。

なんとかして行きの切符は手に入れたが、帰りの切符が見つからない。見つからないときは、耳つかんで~、足をポンと打ちゃ味ポンだ♪と飼い猫に踊って見せたところで彼にその踊りの楽しさを理解させることはできず、がっかりしたがJR西日本バスのHPをみるとまだ席があると判明。

や~った、やったやったできた♪と某テレビ局某番組の挿入歌を飼い猫に聞かせてやったところで彼にその歌の意味を理解させることはできず、途方にくれて泣いてしまったが、猫やねんから理解できるか!お前は阿呆か。と自分に言い聞かせてバスのチケーツを買いに大阪まで向かった。

発売所受付嬢A(接客のレベルは深夜のコンビニ定員並)に東京から大阪までの一番安いチケーツをオーダー。しかし、それはすでに完売。残っているのは、トイレ付きの3列シート毛布付きであるデラックスバスしかない。ちなみに、行きのバスは4列トイレなしのタコバスである。しょうがないから、デラを購入。値段はタコの倍近くある、8910円。とほほ。

しかし、神は私を見逃さなかった。学割がきくのである。
狂喜乱舞した私は、思わずソーラン節を踊りかけてしまったが、受付嬢Aにその魅力を十分に伝えることができぬと判断。また彼女もいきなり客が踊りだしたら、困惑・混乱してしまって、いやん、これってもしかして痴漢ちゃうの?と勝手に決め付けて突然叫び声を上げられて、警察を呼ばれてしまって、痴漢の疑いで逮捕されると東京行きはできぬことになってしまう。また、その恨みを晴らさんがために、きゃつを殴り殺してしまう恐れがあったので、踊りは止めた。止めてチケーツを買った。一安心。

安心したので、その日は会社説明会をキャンセルして昼間っからぐっすり眠ったのでる。おぽぽ。 
                    続。