[俺たちの手が届かなかったモノ図鑑]
辛抱から始まった物欲が狂乱の日々へと変わっていくさまを時系列でお届けしよう。俺たちのど真ん中にある物欲を今こそ赤く赤く再燃させるのだ!! ガキの頃の俺たちは、大人たちが送り込んでくるさまざまな誘惑に対して揺れる小船のようだった。クラスメイトとのコミュニケーションにより、その誘惑の吟味を繰り返す。変身ヒーローなどに代表される秀逸な子供向けのソフトが次々と登場した時代は、憎たらしいほどの憧れモノがぶら下げられたが、俺たちはめげなかった。物欲こそ明日を生き抜く源泉だったのだ。マセガキとなった俺たちは、より男らしい方へと向かっていく。世の中がモノづくり日本へと突き進んでいく過程で、これでもかと届けられる驚愕の技術に心躍らされては、カタログを眺めてタメ息をついた。高すぎる…分別のついた俺たちはただ羨望の眼差しで眺め、手にした者にひれ伏すのだった。やがて、高校生になるとアルバイトという術を知る。奮闘した分だけ小金をつかめるようになった頃、日本はキラキラと豊かになり、より高度になっていくハイテク機器に心を奪われる。一方で、女の子にモテたい一心でファッションモノにも積極的に手を出し始めた。80年代のキラキラした空気をまとった、さまざまなジャンルのモノたちに悩殺され続けたハイティーンブギだ。大人になろうかという頃には、かつて月賦と呼ばれていた言葉はクレジット、借金はキャッシングというハイカラな響きに変わり、「後ろめたさ」は完全排除された。これにより俺たちは、財源先延ばし作戦に打って出た。本来ならば絶対に届かないはずのブツに次々と手を染めていく。そんなクレイジーな日々が俺たちの元気には確実につながっていて、50歳を過ぎた今も物欲に身悶えながら手に入れる瞬間の快感を求めている。ここで繰り返させていただく。物欲こそ明日を生き抜く源泉なのである。これからも俺たちはモノに狂い、身悶え、手に入れる夢をもちながら生きていく。
[連載特集]
〝夢, あふれていた俺たちの時代・昭和51年 (1976年) 〟
昭和40年男が少年から青年を経て大人への道をまっしぐらに歩んでいた時期は、日本経済が沸点へと向かって急上昇していた時期とピッタリ重なる。そうした勢いを肌で感じながら成長した俺たちには、いい思い出が数多く残っているはず。この特集は俺たちが過ごした「夢、あふれていた時代」からある一年を切り取って、当時の希望に満ちていた日々を振り返る連載特集だ。今回は昭和51年へ時間の旅に出かけよう!
に, 僕のページが掲載されてやすぅ~
昭和40年男 HP
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