「このような思いはもう二度と絶対後輩たちにさせてはいけない。それが自分の使命だ。そう思うことでようやく前へ向けた。」
サッカー元日本代表主将 柱谷 哲二
いよいよワールドカップ2022カタール大会が開幕した
サッカー日本代表も7大会連続のW杯出場を決めている
序盤苦戦したものの、俗に言う調整不足が起因するもので、やはり日本はアジアで頭一つ抜けていた
出場を決めた代表選手の表情もどこかスカした余裕がみえた
20代諸氏に「ドーハの悲劇」と聞いても言葉すら知らない
しかし「あの頃」は違った
ギラついていたし、泥臭く未熟で崩壊寸前で
そして何より蒼かった
その日、私は亡き父とラジオ放送を通して、この試合を視聴していた
今のように視聴手段が潤沢ではなかった
実況はそれまでの各選手の苦労を伝えている
まだプロリーグがなかった頃、成長期を迎えた選手がほとんどで、ここまで辿り着くのにどれほどの苦難があっただろう
国際試合では何度も煮湯を飲まされた
夢はすぐそこまできていた
マラドーナ、ロベルトバッジョ、ロマーリオ
彼らとの真剣勝負が待っている
しかし悲劇はおこった
その熱いリーダーシップで闘将と称えられた柱谷哲二主将の打ちひしがれるシーンは今見ても痛々しい
氏は指導者の道を歩むことて、絶望を使命に昇華させた
忘れてはいけない
あの日、地獄のような絶望から立ち上がり、懸命に前を向いた人たち、ひとりひとりの「想いの結晶」が今であるということを
他ならぬ現日本代表監督 森保一もその1人である
「想い」と「魂」を引き継ぎ、因縁の彼の地で、
「歴史」を「未来」へと昇華できるか
たたかいが始まろうとしている