議員の処遇② ~報酬に対する私の考え~ | ふちがみ猛志ブログ『堺から世界へ』

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「議員の処遇①」で書いた前提を基に、私は、議員報酬には下記のように考えています。

 

1.議員報酬自体は、2割程度は削減できる(してもいよい)

 

2.ただし、その分、政務活動費を増やす

 

3.その上で、政務活動費の自由度を高める

 

4.ただし、政務活動費の使途の透明性を高める

 

という、4点セットです。

あくまで「セット」です。

 

 

「『削減できる』って言うなら、それから先にやればいいだろ!」という意見があると思います。

 

しかし、私はそれだけが先行するのには反対です。

 

それ『だけ』では、「頑張る議員に厳しく、頑張らない議員にはそうでないから」、あるいは、「頑張る議員の頑張りを抑制するから」です。

 

一つ前のブログ「議員の処遇① 〜前提としての現実〜」をご確認ください。

活動を「頑張っている議員」については、実質的に「年間手取り4500万程度の感覚」と書かせてもらいました。(私の場合)「共働きで」です。

そこから仮に「額面1300万の報酬」を2割削減したとしましょう。どうなるでしょうか?

実質的に生活費に充てられるお金が、年間2〜300万円ということになりかねません。

「生活できない」とまでは申しませんが、とりわけ子育て中の議員は、厳しい生活を強いられることでしょう。

そうなるとすると、残念ながら多くの「頑張っている議員」が、「活動を抑制して(頑張りを減らして)、活動費を削減することで、ある程度の生活水準を維持する」ことを選ぶでしょう(選ばざるをえないでしょう)

私自身、仮にそうなっても議員活動は抑制したくありませんが、家族にも苦労を掛けながら議員活動をし、3人の子どもを持つ身です。活動を維持しつつ、生活費だけを下げるのは簡単ではありません。

またこうした単純値下げは、これから政治を目指そうとする人たちにも影響を与えます。社会の第一線で活躍し、相応の報酬を得ている有意な人材にとって(特に子育て世代にとって)、このような状況が、議員活動を十分に頑張ることを前提に、リスクを冒して政治の世界に飛び込めるだけの環境だと、果たして言えるでしょうか。

 

一方で、「ろくに活動をしていない(活動費の持ち出しがない)議員」からすれば、1000万円にもなる手取りが、7800万円になったところで、そのインパクトは前者に比べると、ずいぶんと小さいものです。

 

堺市議会でも、報酬削減を訴える議員の中にも、ろくにチラシも作っていない方がいるもんですから、「そりゃ、それだけ活動してなけりゃ、できるよね」と思ってしまうわけです。

 

単純な報酬削減を進めていけば、頑張る議員の頑張り(活動)を抑制するだけでなく、相対的に「頑張らない議員」や、「他に十分な副収入がある議員」「資産家の議員」「生活費がそれほど必要ない議員(ex.独身や、子育てが終わった世代)」が有利になり、そうした議員の割合が増えていくでしょう。それが、市民の望む方向性ではないはずです。

 

 

そこで、私の2の提案です。

 

報酬を削減した分、政務活動費を増額するのです。

 

「増額なんてとんでもない」と思うかもしれませんが、政務活動費は報酬と違い、議員としての活動にしか使えませんから、本来は市政推進(=市民のため)に返ってくる経費です。議員の生活費や遊興費には充てられません。活動しない(頑張らない)議員は、使いたくても使えないのです。

 

よって、この「報酬減、政務活動費増」という措置は、実質的に「全員の報酬を減らして、活動する議員だけ政務活動費増」ですから、議会経費を減らすことができます。

そして、活動しない議員にとっては、手取りの純減です。

一方、頑張って活動し、自己資金から持ち出している議員にとっては、その持ち出しを増えた政務活動費にある程度転化できれば、報酬を減らしたとしても、決して高くない手取り(生活水準)をそれほど落とさずに済みますし、何よりも頑張り(活動)を抑制せずに済みます。

 

しかし、ここで問題なのは、これまでの活動への自己資金の持ち出しを、政務活動費が増えたからといって、それに転化するのが難しいことです。

なぜならば、近年の相次ぐ政務活動費の不祥事で、政務活動費の使途について、厳しすぎるきらいがあるからです。正確に言えば、運用指針では認めらえている支出でも、議員や、議会事務局が抑制的になりすぎて、「念のため、これはNGで」「この支出なら、政務活動費と自己資金を半々で」という具合になりがちです。

 

本来は、議員の活動は相当に自由であるべきで、それに付随する政務活動費も同様に、広い裁量が認められて然るべきです。ただし!それは、市民がしっかりチェックできることが前提です。

 

そこで、私の3と4の提案です。

 

3の詳細は割愛しますが、要するに「できる限り自由に」ということです。

ただし、それだけでは、ろくな使い方をしない議員だって現れるはずです。

 

だから、とにかく透明化するのです(提案4)。

領収書だけでなく、視察のレポートや、チラシや、どこに配布したか、などなどです。

 

すでに堺市では、それらはネット公開されていますが、すべてが一つのPDFファイルになっており、簡単にチェックできるものではありません。

少なくとも、領収書は費目ごとにし、レポートはレポート、チラシはチラシで、個別に確認できるようにしなければならないと思います。

そうして、市民のチェックの目が届きやすくなれば、政務活動費の自由度を高めても、おかしな使い方をする議員は、早々出てこないでしょうし、出てきても、相応の審判が下せるのではないでしょうか。

 

纏めますと、

 

頑張る議員の頑張りは抑制すべきでない。

 

頑張る議員の実質的な手取りはさして多くなく、減らす余地が少ない(減らすべきでない)。

 

頑張らない議員は余裕があり、手取りを減らす余地が十分にある。

 

1人当たり、同額の報酬減と政務活動費増をすれば、議会経費は減る。

 

これらを総合したのが、冒頭の4点セットの提案です。

 

ご理解頂けましたでしょうか?

 
 
 

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