8日(金)に、京都市景観・まちづくりセンターに視察に行ってきました。
13日の総務財政委員会の準備が慌ただしい中ではありましたが、5日の大綱質疑でも、町家の再生について触れたばかり。
堺の何歩も先を行く、京都の町家保全・再生の取り組みは、以前から学びたいと思っていました。
京都市が打ち出す町家に関する政策、その大半は京都を訪れるとてつもない数の旅行者、外国人がいるからこそのものです。
要するに、町家が儲けのネタになりうるから、ということです。
場所によっては、坪3〜500万円もの高額で、町家が売買されているのだとか!
リフォームして民泊にでもすれば、それでもあっという間に投資が回収できるそうです。
いやはや、なんともかんとも。
堺とは前提条件が違いすぎますね…。
ただ!それでもなお、もちろん学びはありました。
保全・再生は、まずは管理することからだと、全戸調査し、I.D.をつけることからスタート。
京町家かどうかを判定する町家カルテによって、町家としての価値を高めたのです。これにより、それが判断できず、融資に慎重だった金融機関の姿勢が変わったそうです。
資金集めにはクラウドファウンディングや、京町家ファンドと称して寄付金付きの商品を販売しました。
この辺りは、堺市でも十分取り入れられますし、和菓子などで実現できたらいいですね!
町家の再生が進み、そのイメージが浸透すれば、堺の和菓子のブランドイメージも高まるでしょうし、相乗効果が期待できます。
最後は何と言っても、市民の機運醸成。
再生させた町家の持ち主や、これから検討している人、再生を支援した人などなどの交流会を積極的に展開し、町家に対する理解を広めていったそうです。
京都の羨ましすぎる環境にばかり目が行きがちですが、それもこうした地道な取り組みがあったからこそです。
堺も京都には遠く及びませんが、今なお残る古い町家と、その町並みは、堺の大事な魅力です。
文化財としての保全が第一義ですが、その活かし方によっては、十分に観光客・来街者にアピールできるはずです。
堺市ではいま、環濠地区北部で、一軒、また一軒と再生事業が進んでいます。
中でも私は、鉄砲鍛冶屋敷の整備が、それを大きく進める起爆剤になるのではないかと期待しています。
完成は2022年度。
そこを一つのマイルストーンにして、ビジョンを作り、色々な取り組みを進めたいですね!