生活保護。
不正受給とかがクローズアップされがちだけど、逆に、本来ならば受けられるのに、気兼ねして申請してこない人がけっこういる。
特に高齢者で。
経済的に苦労して、そして我慢して。
そんな方から、相談があった。
客観的な状況を聞く限り、生活保護を受けるべきで、そのことを話した。
それでも抵抗感があるようで、担当職員を呼んで、制度について説明してもらった。
その職員は、不正受給はダメだという前提も話した上で、
「本当に困っている人を助ける制度。これは国民の権利。本当に困っている人は、何も遠慮はいらない」
という主旨の説明をしてくれた。
やさしく、やさしく。
これまでの経済的、精神的苦労にしっかり寄り添うように。
そして、その高齢者は涙を流していた。
不正受給はダメだけど、本当に困っている人は遠慮なく。
というのは当然の話だけど、なかなか市民はそれを知らない。過剰とも言える不正受給叩きと、ありえないような悪質な不正受給を前に、一般市民は偏見に捉われ、苦しい立場の方は、縮こまっている。
この人も辛かったんだろう。
そして、それを救った職員の言葉。
職員は特別変わったことは言ってないけど、言い方、態度、目線。
職員のそうした姿勢一つで、救われる人もいれば、追い詰められる人もいる。
結果は同じでも。
こんな職員が増えれば、市民満足度も、全然違うものになるだろう。
職員の皆様には、そんなこともあるのだと、そう思って職務にあたってもらいたい。
ふちがみ猛志