若かりし頃の私は政治や学生運動には無関心だったから(いわゆるノンポリ)、右翼だ、左翼だなどのイデオロギーに関してはとんと疎い。というか、どうでもいいという感じかな。実際問題として、長年サラリーマンとして生活した上でも、イデオロギーと接する機会は全くなかった。

 そんな私から見ても、おそらく日本から左翼は消滅したように見える。左翼が消滅したのは、ソ連(ソビエト社会主義共和国連邦)が崩壊したせいだろう。ソ連が崩壊するとともに日本から左翼がいなくなったのだから、かつてソ連が日本に及ぼした影響力というのは並大抵のものではなかったことが分かる。資金援助とか、運動方針の提示などがソ連からあったのだろうか。日本の左翼活動がどのようにして成立していたのか、知っている人はいるのだろうけれど、私は何の知識も持っていない。

 そういえば、YouTube動画を見ていたら、国会で枝野と蓮舫が質問をしているところの切り抜きがあった。頭に浮かんできたのは「昔の名前で出ています〜♫」だった。古いというか、レトロというか、バージョンアップされずに放置されているパソコンのようなイメージ。ちゃんと動きはするのだけれど。

 左翼は消滅したから、右翼も必要なくなったように思うけれど、右翼の方は一定数の支持を得られているせいか、今でも悪さをしているように思う。その前に、右翼とは一体なんだろうか。辞典から引用すると「広義には左翼と対照的な意味での保守的立場の人物や団体。狭義には排他的なナショナリズム、国粋主義、国家主義などの総称で、一般にはドイツのナチス、イタリアのファシスト、日本の超国家主義者などがその代表とされる。」(百科事典マイペディア)とある。

 なるほど、日本はドイツ、イタリアと並んで、右翼のいる国として有名ということになるんだな。日本の右翼は「超国家主義」らしいけれども、それって何だろう。

「日本における、天皇制の絶対化と国家至上主義を唱える極端なナショナリズム。日本文化の優越性を強調し、天皇中心の国家政策への従属を求め、個人の自由を無視した。」(旺文社日本史事典 三訂版)
「国家主義の極端な一形態。外に対しては露骨な排外・侵略主義をとり、内に対しては国家権力による全体主義の体制がとられる。」(百科事典マイペディア)

 あ〜、こういうの嫌い。大嫌い。冗談よしてっての。でも、YouTubeなど見ると結構この手の動画ってあるよね。

 私は、天皇制に関しては、今の日本国憲法を支持している。ちょうどいいんじゃないかな。日本国憲法に関しては、GHQが突貫工事で作った粗悪な押し付け憲法という人もいるけれども、天皇制や基本的人権、そして、日本政府の横暴を防ぐという意味では大変に優れていると感じる。

 そんな日本国憲法を持ちながらも、現在の岸田政権の独裁ぶりはひどいからね。税金などを勝手にどんどん上げるわ、日本と全く関係のない戦争に入れ込んで支援を行うわ、これで日本国憲法がなければどこまで暴走するのか分かったものではない。

 おそらく、「ウクライナ派兵」などと、ラッパを吹きながら高らかに言い出すのだろう。あるいは、緊急事態を宣言して、令和版「国家総動員法」を成立させるのだろう。もちろん、大東亜戦争を煽ったのと同様に、日本のマスメディアは進め進めの大合唱になる。ああ、恐ろしい。

 大雑把にいって、「天皇が、天皇が」と強調するような人は日本人の敵と思っていいかもしれない。つまり、天皇を自分の精神的な支柱にしようとする人たちは危険だね。ものすごい依存心の強さというか、まるでカルト宗教であって、そのような人たちは「天皇教の信者」に見える。

 実際問題として、大東亜戦争に敗戦する前の日本は、天皇教(国家神道)の信者であることを強制された。天皇は "現人神" としてあがめたてまつられた。実に滑稽だし、それだけではなく、危険この上なかった。

 「天皇が神」なんて、あり得んでしょ? 「カラスは白いと言え」と強制されるようなものだからね。まだ、神を信じろといわれる方が穏やかだ。そうやって、天皇を神格化してどうするかといえば、天皇の下にいる者が、自分たちに都合のいいことを全部神のご意向であると触れ回って強制することになる。

 岸田総理でいえば、「増税は現人神であられる天皇陛下のご意向である」と、そのように言うわけ。もちろん、選挙も、国会審議も必要なく、一発で増税可決となる。政府・自民党がしきりに狙っている憲法改正では、天皇は象徴から元首に格上げされるというけれど、狙いはそういうことなんだな。「お前ら、元首である天皇に逆らおうっていうのか?」と何事によらず政府自民党は言いたいわけ。

 もちろんそれに応じて、学校教育も変更され、「元首であられる天皇陛下様をご尊敬申し上げましょう」と、子供たちは学校で習うことになる。日本人の一部はそういうの好きだからね。私は鳥肌が立つというか蕁麻疹が出るけれど。

 ダメなんだよね、人間は誰かに頼ったら。自分の頭で考えないと。何でもかんでも天皇にしてしまっては、国が滅びる。実際問題として、大東亜戦争で日本という国は滅びたでしょ? あれは、天皇を現人神とする国家構造が間違っていたせいだと思うよ。国としての構造に欠陥があった。だから滅びた。そこに戻りたい人がいるなんて信じられないな。

 もう一つ日本の右翼があぶり出されてくるのが "中国敵視" 。これは右翼単独ではなくて、「アメリカ+日本の右翼」という構図なのだと思う。お互いの利害が一致している。これも、「先入観なしで一般の日本人として考えてごらんよ」と言いたいなあ。

 極端な例として、日本と中国が戦争をしたとして、誰が喜ぶ? 誰が儲かる? 少なくとも、私のような平凡な生活をしている日本人にとっていいことは一つもなく、損害を被ることばかりになる。

 アメリカは、日中戦争が始まると大喜びになる。武器が売れるし、日本との結束は強くなって中国を排除できる。加えて中国もそれなりに被害を受けるだろうから、一石二鳥どころか三鳥にも四鳥にもなる。日本の右翼も、もともとの思想が「外に対しては露骨な排外・侵略主義をとり、内に対しては国家権力による全体主義の体制」を是とするからね。腹の底では満州国の再建くらいを狙っているのだろう。戦争は大歓迎になる。

 既に何十万人もの人命が失われた新型コロナ用ワクチンも、右翼か左翼かで考えると右翼のやったことだろうなあ。コロナ用ワクチンの前までは、薬やワクチンの認可というものは、国民を守るという趣旨に従って大変に慎重な手続きを経ていた。それでも薬害を完全に防ぎ切れずにいたのが現実であり、そこにおいて、基準を緩めるなんてあり得ないことだった。

 それを物の見事に崩して、殺人ワクチンを導入したのが安倍元総理になる。ありゃ、本物の右翼だったのかもしれないなあ。冗談の好きな人だったから、それでシリアスな感じをうまく消していたけれども、実のところは本当にヒトラー並だったのかもしれない。危なかった。あ、ひょっとしてもう手遅れ?

 今、安倍派が粛正されている。これは私にとっては大変に喜ばしいことなのかもしれない。繰り返すけれど、日本の右翼は「超国家主義」だからね。つまり、「天皇中心の国家体制、個人の自由を無視、全体主義、露骨な排外・侵略主義」ということ。早い話が、戦前の日本に回帰しようということだね。もっと言えば、幕末の尊王攘夷の残党。くたばりぞこないの老人の妄想には付き合い切れない。

 安倍派の粛正が始まったということは、日本の右翼に異を唱える勢力が動き始めたということだろう。安倍元総理の暗殺や統一教会の排除で、かなりの部分安倍派に焼きを入れたわけで、それで終わりかと思っていたら、残党の勢いをもっと削る必要があると判断したのだろうな。

 岸田総理も間違いなく安倍派残党の一人だね。何しろ戦争に前のめりだから。国民がいくら不満を示しても、委細お構いなしに増税に突き進むなんてことは、戦争をするつもりがあるからできることなんだな。戦争をするとなったら、国民の暮らしがどうこうなんて、どうでもいいことになるでしょ。岸田総理の精神状態はそういうことなんだな。

「人が戦争するって時に、税金が高いだの安いだの、景気がどうのこうの、どうでもいいことで騒ぐんじゃない!!」と岸田総理は言いたいわけ。これはもう、安倍派や右翼は一掃する必要があるね。自民党を解体するまで持っていくべきだろうな。冗談じゃない、戦前回帰なんて。寝言は寝てから言えってなもん。それとも、そこのあなた、戦争したいですか? 日本のためにと嘘を吹き込まれて、戦って死にたいですか? 右翼は「実に立派な人だった」と死んだあなたを褒めてくれますよ。