7年くらい前だろうか。テレビを買い替えたついでに、それまでのDVDプレーヤーもブルーレイプレーヤーに替えた。プレーヤーだけでは意味がないので、ゲオに行って中古のブルーレイの映画を3本購入したのだが、その中にたまたま、ツーリスト(THE TOURIST )という映画があった。私は映画を基本的に見ないので、その時はまだアンジェリーナ・ジョリーを知らなかった。

 

家に帰って、早速ツーリストを見たのだが、これが面白かった。面白かったというか、アンジェリーナ・ジョリーが魅力的だった。美人だった。映画の最初から最後までポーッとしながらというか、生唾ゴックンしながらというか、アンジェリーナ・ジョリーを見続けた。とにかく色っぽいというか、セクシーというか。

 

昨日思い出して、またツーリストを見直してみた。さすがに時を置いているだけあって、以前よりは冷静に観察することができた。今回思ったのは、とにかくゴージャスであることだ。一から十まで贅沢で豪華である。そのような演出である。

 

豪華なのは鉄道の旅、ベネチア、建築物、ホテル、舞踏会、センスの良いファッションなどであるが、一番はやはりアンジェリーナ・ジョリー自身だろう。豊かな髪、大き過ぎる目、大き過ぎる口、分厚過ぎる唇、メリハリのある体の曲線、ハイヒール。今私の隣にアンジェリーナ・ジョリーを連れてきたら、間違いなく私は「ゲッ、化け物」と思うだろう。

 

しかし、豪華な背景に加え、彫りが深く高身長の白人男性、イブニンドレスにタキシード、凄みのあるギャングの親分、大きな宝石などといった舞台に置くと、私の隣では化け物になってしまうであろうアンジェリーナ・ジョリーも、これ以上ない贅沢な芸術品に見えてくる。

 

セクシーさはどこから出てくるのかと思って観察したが、格上の女性が格下の男性を優しく手のひらで転がすような、思わせぶりな態度や言葉ではないかと思った。金も、知力も、身分も、美しさも、相手役のジョニー・デップより格上という設定でストーリーが進行し、アンジェリーナ・ジョリーは余裕たっぷりの演技をする。私の場合、そのように自分がかなわないくらいの格上の女性の優しさに色気を感じるらしいのだ。あー、たまらない。ラブ

 

こんなにゴージャスで、セクシーな女性を作るために、西欧文明はあるのかもしれないと思わせられる。トランプ大統領の周りの女性もそうである。あれだけの、贅沢品としての女性を作り出すためには、まず遺伝子レベルの品種改良から始まるに違いない。食べるものだって、見合ったものでなければ育たないだろう。思い切り贅沢をさせるためには、貧富の差も必要だろう。奴隷をこき使い、下層階級からは思いきり吸い上げて、その金をふんだんに女性に注ぎ込む必要があるに違いない。

 

先日私は、中国の女優リー・イートンの話をした(「リー・イートン 追い越された日本」)。そして、リー・イートンのことを「猫よりも可愛い」と評した。ところが、欧米の女性に対して「かわいい」は褒め言葉にならないと聞いたことがある。アンジェリーナ・ジョリーとリー・イートンを比べるとなるほどと思う。

 

何がなるほどかというと、アンジェリーナ・ジョリーはしこたま金のかかる女に見えるが、リー・イートンはあまり金がかからないように見えるからだ。欧米で可愛いが褒め言葉にならないのも分かる。可愛い女は金をかけてもらえないのだ。

 

中国のドラマは韓ドラよりも豪華な作りである。韓国よりも金があることがわかる。それでも、欧米には全然かなわない。欧米ではあまり価値のない可愛い女がヒロインになっていることでも分かる。言ってみれば可愛い女は貧乏人のアイドルである。貧乏な社会の美人が可愛いのである。

 

前澤社長のような金持ち男性に迫っていくのは、くどいくらいに豪華な雰囲気のある女性がいいに違いない。かわいい女では、せっかく持っている金の使い道がない。よく知らないけれど、剛力ってそうなのかな? 一方、私のような貧乏人の男に迫ろうとするのであれば(そんな物好きいるわけないだろ、というのはさておいて)、思い切り可愛らしく迫っていくに限るということになる。(お待ちしています。ウインク

 

日本は以前多くの女性が可愛いを目指していたように思う。今はどうなのだろうか。可愛いも余りもてはやされなくなったような気がする。豪華な大人の女でもなく、可愛い女でもなく、貧乏人のくすんだ女ばかりというのはちょっと嫌だなあ。ショボーン

 

ところで、ツーリストのラストシーンではアンジェリーナ・ジョリーとジョニー・デップがこんな会話をする。

ジョニー「(私の顔は)気に入らない?」

アンジー「我慢するわ。(it’ll do.)」

 

これが、リー・イートンなら、

ジョニー「(私の顔は)気に入らない?」

リー「そんなことないわ。だ〜い好きよ。コニャン。」

といったところだろう。

 

そうそう、最後に我が細君に登場願おう。

私「(私の顔は)気に入らない?」

妻「・・・フン」

 

・・・・・・・・・・・・・・・。ガーン