Facebookの友人の友人からの被災状況
大震災と原子力発電所事故の真っ只中にいる先輩医師からの発信で
す。
す。
3・18 地震後 ようやくネットがつながりました。
浜通りふれあい診療所はおかげさまで無事です。
でも、悲しいことに職員に被災者が多く、津波で家族が流されたり
、自宅がなくなったり、原発で避難を余儀なくされたり、ばらばら
の状態です。
、自宅がなくなったり、原発で避難を余儀なくされたり、ばらばら
の状態です。
そのため正常業務はできず、今は午前中外来・午後に
避難所めぐりをしています。
避難所めぐりをしています。
地震・津波・原発と 浜通り相馬は不幸の連続です。
1週間をすぎて 他の地区では復興への動きが始まっているのに、
相馬では、ガソリ...ンとお薬を求めてから、立ち去る人も多く、悲しい状況です。
相馬では、ガソリ...ンとお薬を求めてから、立ち去る人も多く、悲しい状況です。
公立相馬病院では 自宅に戻らず、不眠不休で働く医師や津波に流
されて帰る家を失っても、病院内に寝泊りしてがんばっている看護
婦さんたちもおります。
されて帰る家を失っても、病院内に寝泊りしてがんばっている看護
婦さんたちもおります。
原発の事故も、絶え間なく起こる余震も不安ですが、 避難指示が
出るまでは逃げないでがんばります。
出るまでは逃げないでがんばります。
また会いましょう。
3・19 相馬の状況は少しずつですが改善しています。
この地域は、昨日電
気と水道が復旧しました。
気と水道が復旧しました。
最大のネックは 原発の問題です。
日本の政府とマスコミの情報に相馬市民はもとより日本国民も不安
感を感じています。
感を感じています。
相馬は、大地震・津波・原発の三重苦です。
原発から40キロの距
離にあり、きちんと対応すれば安全なはずなのに、 相馬の市民も風評におどらされて、ガソリンとお薬を調達すると子
供をつれて逃げ出しています。
離にあり、きちんと対応すれば安全なはずなのに、 相馬の市民も風評におどらされて、ガソリンとお薬を調達すると子
供をつれて逃げ出しています。
外部からの物資の搬入や援助も被
曝を恐れて一番遅れています。
地震からもはや1週間になりますが、自衛隊がまだ津波後の浜での
遺体を捜索しているのみです。
遺体を捜索しているのみです。
地域全体のライフラインの復旧もまだです。 住民は 不安と疲れとで心身ともピークに達しています。
今日現在 約15箇所の避難所に約4000人の方々が避難してい
ます。
他にも 親戚に身をよせている方もいますので、4万弱の
相馬の人口のうち約半分は被災者です。
相馬の人口のうち約半分は被災者です。
避難所の問題は、ガソリン
・石油の燃料不足と 衣類の不足 入浴のできない状況での衛生状
態の低下と 精神的なケアになってきました。
・石油の燃料不足と 衣類の不足 入浴のできない状況での衛生状
態の低下と 精神的なケアになってきました。
そんな状況でも 公立相馬病院の医師は一人も逃げ出さず、最後ま
で医療人としての誇りと義務を放棄することなく病院内に寝泊りし
てがんばっています。
で医療人としての誇りと義務を放棄することなく病院内に寝泊りし
てがんばっています。
残っている開業医も、避難所の回診や自医院
の再開にむけて努力をしています。また数人の開業医でチームをく
んで 一次診療と避難所の回診をして、病院の医師が疲弊しないよ
うに応援しています。
の再開にむけて努力をしています。また数人の開業医でチームをく
んで 一次診療と避難所の回診をして、病院の医師が疲弊しないよ
うに応援しています。
相馬市民にとって 現在の最大の救援は、正確な原発の情報と安全宣言です。
住民の精神的・体力的な回復と 外部からの物資の円滑な輸送の
ためにも必要不可欠です。
メールはここまでにして、これから避難所の回診にいってきます。
3・19 心強い激励のお言葉ありがとうございます。
地震から1週間様々な
経験をいたしました。
経験をいたしました。
知り合いが津波にさらわれ行方不明でしたが、昨日遺体でみつかり、ご焼香にいってきました。
遺体安置場は1mも間隔が取 れないほどに棺が並んでおり、確認後さらに追い討ちをかけるよう
に お坊さんが避難していてお葬式があげられず、品物もないため献花もさびしいくらいでした。
に お坊さんが避難していてお葬式があげられず、品物もないため献花もさびしいくらいでした。
1週間前までの物に満ち足りた幸せな港
町はどこにいってしまったのでしょうか。
しかもいまだに多くの退避者が続き、町はゴーストタウン状態で真
っ暗です。
っ暗です。
今日回診に行った避難所は、隣の南相馬市からの避難者の指定され
た元高校の校舎ですが、暖房もなく、毛布にくるまった方々がほこ
りだらけの教室に身を寄せていました。
た元高校の校舎ですが、暖房もなく、毛布にくるまった方々がほこ
りだらけの教室に身を寄せていました。
発熱・アレルギー・胃腸炎など子供連れの避難者、突然の天災と過
酷な移動と住環境で慢性疾患を悪化させている高齢者、 環境の悪化による他からの流入者の空き巣などの犯罪の増加 移動を促した南相馬市、受け入れた相馬市 ともに責任をお互いに
ゆずりあった結果、 劣悪な環境は、罪もない子供や老人に心身ともに負担をかけ、人間の良心の荒廃を生んでいます。
酷な移動と住環境で慢性疾患を悪化させている高齢者、 環境の悪化による他からの流入者の空き巣などの犯罪の増加 移動を促した南相馬市、受け入れた相馬市 ともに責任をお互いに
ゆずりあった結果、 劣悪な環境は、罪もない子供や老人に心身ともに負担をかけ、人間の良心の荒廃を生んでいます。
南相馬市からは、一部の医療関係者が早々に逃げ出し、医療を放棄
してしまいました。
してしまいました。
南相馬病院 渡辺病院 小野田病院 大町病院
すべて閉鎖です。
すべて閉鎖です。
その一方で 勇気ある一部の職員が南相馬の病院内で孤立しながらも踏みとどま
っています。
っています。
医療の孤島に残された状態です。
また、大半の南相馬の開業医も避難していったようです。
その結果 隣の相馬市へ大量の医療難民が流入し、救急車も倍増し
ています。
ています。
今回の地震では、不幸にも数え切れない人々が津波にさらわれてし
まいましたが、 希望の星は、この1週間の間に相馬病院で数人の新しい命が生まれ
たことです。
まいましたが、 希望の星は、この1週間の間に相馬病院で数人の新しい命が生まれ
たことです。
避難所では、親をなくしてしまった中学生が、炊き出し、トイレ掃除などボランテイアをすすんで行なっていました。
そして、消防庁や自衛隊の方々による被曝覚悟での決死の消火活動
が行なわれ、原発の最悪の状況を回避できそうだという情報もはい
りました。
が行なわれ、原発の最悪の状況を回避できそうだという情報もはい
りました。
地震の恐怖から立ち直ろうと必死に生きている人々、現場で命をか
けて任務を遂行している日本人がいる一方で、発電所の幹部や政府
の記者会見は、放射線の危険のない原発からはるか遠くから行なわ
れています。
けて任務を遂行している日本人がいる一方で、発電所の幹部や政府
の記者会見は、放射線の危険のない原発からはるか遠くから行なわ
れています。
彼らの対策本部が、原発のすぐ近くであったなら、こんな末期的な
状況にはならないうちに解決されていたのではないでしょうか。
状況にはならないうちに解決されていたのではないでしょうか。
日本人の良心と忍耐力、回復に向かっての克己心を信じつつ がん
ばって生きたいと思います。
ばって生きたいと思います。
3・20 ご協力ありがとうございます。
次々と応援メールが入ってきており
ます。
ます。
小児科については、 相馬市内の子供の数が激減しており お薬不足などはまだ大丈夫だそうです。
オムツ・ミルクの配給やアレルギ
ー などが当面の問題です。
ー などが当面の問題です。
福島医大より応援体制もあり むしろ今後PTSDな どの長期的な問題になりそうとのことでした。
公立相馬病院の産婦人科には高齢の先生が2名おりますが、今回は助産婦さんがとりあげた出産だったようで、助産婦さんの不足でフル活動は難しい状況です。
開業されている市内の産婦人科では、妊婦さんを、決死の思いで福
島まで搬送したそうです。
島まで搬送したそうです。
やはり 病院崩壊の最大の問題は 原発の風評被害です。
南相馬市立病院に残っている勇気ある看護婦さんよりのお話では、
若い看護婦さんや職員が原発の恐怖のため、子供を守るためにと避
難していくのをとめることはできなかったそうです。
若い看護婦さんや職員が原発の恐怖のため、子供を守るためにと避
難していくのをとめることはできなかったそうです。
入院患者さんのためにスタッフは孤立状態でがんばっていますが、自分は踏みと
どまろうと覚悟をきめているはずなのに、毎日一人ずつ立ち去って
いくのをみると、心がくじけそうになるそうです。
どまろうと覚悟をきめているはずなのに、毎日一人ずつ立ち去って
いくのをみると、心がくじけそうになるそうです。
仕事量がふえることも、食料・燃料・医薬品が届かないことも、そ
して原発の不安もあり、ギリギリの状況で働いています。
して原発の不安もあり、ギリギリの状況で働いています。
病院という現場は、医者だけが残っていても機能せず、看護士さん
をはじめとする様々なスタッフがいてこそ医療ができるのです。
をはじめとする様々なスタッフがいてこそ医療ができるのです。
医師だけでは、患者さんの介助やおむつ交換などまではできないでし
ょう。
相馬市内の老人ホームでも職員の3分の1が相馬から避難してゆき
、残されたスタッフへの仕事の負担は限界をこえています。
、残されたスタッフへの仕事の負担は限界をこえています。
100
人近い高齢の入所者を残して、家族は先に避難してしまったそうです。
人近い高齢の入所者を残して、家族は先に避難してしまったそうです。
我慢というトンネルのゴールがみえるので あれば、人間は耐えられるのに、いつまでも原発の不安な情報しか
流れてこないので, みな心がくじけてしまうと話していました。
流れてこないので, みな心がくじけてしまうと話していました。
なぜか相馬市には、報道関係車両もみられず、マスコミは1社も取
材にはきていません。 これも原発の被害でしょうか。どうにかして現場の真実の状況を伝
えたいと思います。
材にはきていません。 これも原発の被害でしょうか。どうにかして現場の真実の状況を伝
ガソリン・食品・生活物資も当然ながら不足し
ていますが、 相馬の若い力が戻ってくるために相馬に今一番必要なのは、住民へ
原発の正しい情報を提供することと 原発の安全宣言です。
ていますが、 相馬の若い力が戻ってくるために相馬に今一番必要なのは、住民へ
原発の正しい情報を提供することと 原発の安全宣言です。
3・21 昨日もまた原発3号機のトラブルが放送されました。
残された相馬
市民はいつまでも目に見えない被害におびえています。
市民はいつまでも目に見えない被害におびえています。
それにしても次から次へと 原発のトラブルは続きます。
それに反して、テレビのニュースでも扱われなくなってきましたが。
物珍しい時期をすぎるとニュースの価値がなくなってしまうのでしょうか。
原発事故のリスク・マネージメントはどうなっているのでしょうか。
相馬には、原発の下請けで働く人達もたくさんいます。
命からがら逃げてきた人や、中に取り残されて、いまだに原発内で
働いている人もいます。家族の気持ちを考えると早く安全な状態に
して助け出してあげてほしいと祈るばかりです。
働いている人もいます。家族の気持ちを考えると早く安全な状態に
して助け出してあげてほしいと祈るばかりです。
南相馬市には約2万人が残っており、この地区の医療の危機状態を
救うには、南相馬市へ救援隊が直接入り、医療関係者と物資を直接
搬入することが必要です。
救うには、南相馬市へ救援隊が直接入り、医療関係者と物資を直接
搬入することが必要です。
原発30キロ圏には津波さえ届かない、とてつもなく高い堤防があ
り、救援を進めてもらえません。
り、救援を進めてもらえません。
他からの医療関係者が周辺地区に
増員されても おそらく南相馬の医療を救うことはできないでしょ
。
増員されても おそらく南相馬の医療を救うことはできないでしょ
。
むしろ隣の地域の病院までも ドミノ倒しのようにつぶれる結
果になりかねません。
果になりかねません。
避難所では、ゴミの中に、支給されているおにぎりが目立つように
なったそうです。
宮城・岩手の避難所の様子は、テレビでも放送されていますが、浜
通り地区の状態は伝えられません。
通り地区の状態は伝えられません。
放射線被害のために食品を出荷できず、相馬病院には大量のイチゴ
や野菜が寄付されてきました。
被曝防止のために、外出時にマスク
とコートをかぶり足早に通り過ぎていきます。
とコートをかぶり足早に通り過ぎていきます。
開店しているスーパ
ーとガソリンスタンドには行列していますが、相馬の街中は人通り
もまばらです。
ーとガソリンスタンドには行列していますが、相馬の街中は人通り
もまばらです。