久しぶりに、先生との昔話。
他にも書かなきゃいけない事は沢山あるのですが、
ちょっとまだまとまりきらないので、
昔話を思い出すがまま書き起こすことに。
――――――――――――――――――――――――――――――
まだ10代だった私は、
化粧も洋服も、少し派手目にバッチリしていないと気がすまなかった。
休み時間には、お手洗い。
トイレに入り浸り、よく化粧直しをしていた。
1年の秋期にもなると、この、トイレというものにも
お気に入りの場所が出来てくる。
私は、本館4階の女子トイレが大のお気に入りだった。
あまり使用する人がおらず、また居たとしても、使用言語の違う留学生のみ。
静かなトイレが好きな私にとっては、まさに穴場であった。
その日も私は休み時間にそのトイレに行っていた。
用を足し、ゆっくりと化粧直しをする。
化粧が仕上がり、「最後に手を洗って出よう!」と、
洗面台に立ちなおした時であった。
入り口から、
必修科目の担任。
「あ。こんにちは。」
何らかの意識は抱いているものの
まだまだ慣れぬその姿に、とりあえずの挨拶をする私。
先生も私に気付いたようで、軽く会釈する。
お互い挨拶を済まし、「もう良いか」とその場を立ち去ろうとした時だった。
「まどかさんは、私のこの次の授業(*1)とってたっけ?」
「え?」
突然話しかけられて、びっくり。
初めて・・・だった。
私はドキリとし、少し固まる。
衝撃で言葉を失った私に、
先生はやわらかな笑顔で再び
「この後の授業!(*2)」
と尋ねる。
「いえ、とってないです。」
履修していなかったので、一応素直にそう答える。
「あ、まどかさんがとってるのは、あっち(*3)か!」
「そうですー。」
と、
ただそれだけの会話をして、
「じゃあまた」と
私達は別れた。
もう随分と昔の話だ。
初めて、
初めて、先生が授業外で私の名を読んでくれた日。
(勿論、苗字ではあるけど)
先生と出会って、まだそんなに時が経っていない頃だったから、
名を覚えて貰ったことがたまらなく嬉しかった。
特に目立つ言動のないただの20分の1を、
先生は覚えて下さったんだなぁ、と。
そして、
それまで授業中の彼女しか知らなかったものだから
「(あの人はあんなにも柔らかく笑える人なのか。)」
と、驚きもしたのを覚えている。
本館4階のトイレ。
いつまでも、私の記憶に残る、
先生との会話。
初めて名前を呼ばれた日。
にほんブログ村
*1 実際の会話では教科名。4年で履修。
*2 ひたすら教科名であるが、伏せる。
*3 後期のみ1年時に履修の授業。4年で再び受講。