　混沌（カオス）の中から生まれた世界は、

天と地を静寂の大気で包み、太古の力を持つ神々を生む。

　火神、水神、そして風神や雷神、

それら大気を司る天神が生まれ、

そこから土や木々の神々と、

大地に関わる全てを司る地神が生まれた。

　神はまず、世界を美しい善なる光で包もうとした。

煌く光にやわらかな風、

世界のすべてが輝いているはずだった。

　だが、世界を包んだ光の中から、

深い闇が生まれ、魔が生まれる。

最初それはとても小さく、誰も気づかない程だった。

しかしそれはゆっくりと、そして確実に育っていく。

　やがて気付いた神々は、強い光で照らそうとした。

だが闇は一層深く、濃くなるばかりで、

神々は闇を葬るのではなく、魔を導こうと考える。

　悠久の時の中、

世界には、精霊という小さなものから、

力を持った神仙に至るまで、

八百万（やおよろず）もの神々が生まれ、

さらには獣や人間が世界を広げていく。

魔は改心を求められる一方で、

闇の異界を広げ、さらなる邪悪さを増していた。

　神と魔の戦いは厳しさを増していき、

その中で世界には序列が生まれる。

　能力の低い神は、高位の神の下で修行をし、

人間界で暴れる妖獣に対抗する為に、

戦神による軍隊が作られて、

改心の余地のない魔が掃討されていく。

一見、世界は神によって秩序が保たれ平和であった。

だが魔は、静かにその勢力を広めていて、

やがて神魔大戦が勃発する。

　神々は力の限り戦った。

特に太古の神である火神は、

持てる力のすべてで魔に対抗した。

それは自らを燃やし尽くさんとするほどの力だった。

　幾つもの世界が、この戦いで滅し、

今まさに火神の神魂も燃え尽きようとした時、

そこにいた湖ノ神の力で蘇り、魔を退けた。

　だが、小さな湖を守る湖ノ神は、

すべての力で火神を救った為に、瞬く間に霧散していく。

　魔を退けた火神が、振り返った時には、

すでに湖ノ神は散り始めていて、

救う事はおろか、話す事さえできなかった。

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

続けて更新しましたが、あまり変化がないような・・・

いやいや、ここが最初の出会いですから。

言葉を交わすこともなく、散り始めたミニョ。（ここでは湖ノ神）

お互いの顔をほんの数秒見ただけで、

終わりを告げた最初の出会いであり、始まりとなります。

さて、何度も書きますが、

このネタを考えた時は、神様は登場したりしませんでした。

なので、たったこれだけ書くのに、

あれこれ考えたくだらない事を補足します。

（ストーリーとは全く関係ありません）

まずね、太古からの神って書くと、

こんなイメージになりません？

ほら、こんな感じで・・・

でも某ドラマの中では、

　この方より

　　　　　　　　↓

　この方の方が年上で

　　　　　　　　↓

　こちらの方はさらに年上なんですよ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

つまり能力で見た目が変わるってわけ。

なのでここでの火神は、

こんな感じで、ご想像ください。（顔じゃないですよ、雰囲気ね）

（この方、某ドラマの中で一番の年長者、推定３６万歳です）

なんでこんな年齢の話をするのかっていうと、

次の第二節が、この話の七万年後になるんですね。

七万年後なのに、テギョンさん（火神）に変化はなく、

ミニョは、湖ノ神から水神の娘として生まれ変わるんです。

歳の差、ありすぎだろー！　

いったい幾つよーー！！ってなりますよね。

メインの話はまだ先だけど、ここでつまづく事は避けたい。

なにより、出会いと別れの場面は、

ほんの数秒の間に、

お互いに印象を残すところなんです（←力説）

たとえ白髪だったとしても、

口ひげのじーちゃんが妄想されるなんて嫌だー

って思ったんですよ。

ええ、私の脳内イメージに、

たとえ年齢差はあっても違和感はないって事を、

どうしても、どうしても伝えておきたかったんです。

（ただ・・・、お気づきかもしれませんが、

ここの火神、中身をテギョンで描いてません。

テギョンで描くには無理がありまして、

なにせ神なもんで、見た目は柔和に、

中身は毘沙門天をイメージしております。

毘沙門天、ええあの怖い顔のなので画像添付はやめました）

それともう一つ、これも悩んだタイトルについてです。

　『　　縹炎と斐の水沫　　』　　

読み方は、縹炎（ひょうえん）と斐（ひ）の水沫（みなわ）です。

ひぇ～読めん！！　すみません。　

変換も一発で済まないわ。（手間どるの）

なんだけど、

縹には、遠いとか遥かって意味があり、

斐は、美しいやあやもようって意味と、

　　　　風の勢いに従ってなびく（横に揺れる）と言った意味も、

水沫は、水の泡です。

　　　　こちらは万葉集からお借りしました。

水沫なす　もろき命もたく縄（つな）の　

　　　　　　　　　千尋にもがと願い暮らしつ

意味は、水の泡のはかない命であっても、

　　　　　　長く長くと願いながら暮らしてきた。　です。

なんとなーくですが、

古き世代から脈々と続いているって感じにならないかな～と、

求めたのはそこなのです。

最初に考えたタイトルが、『炎と水』で、

（ちなみに『と』を除いて『炎水（えんすい）』も候補でした）　　

そこから『蒼炎と紅水』へ、

でもこれだと時間が感じられないな～となって、

ひっくり返しこねくり回して考え出した、

炎（縹炎）と水（斐の水沫）ってわけです。

いやいや、こんなことに時間かけてるから、

肝心の話が進まなかったって事はよーくわかってるんですがね、

キレイなタイトルになったんじゃないかと（←自画自賛）

あっ本文より後書きの方が長くなりそうだ。

では２日後の第二節で、また～

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縹炎と斐の水沫 第一章 悠久の神々 第一節

縹炎と斐の水沫　第一章　悠久の神々　　第一節