『bar -happy-』 | 小林 太樹 『風・遊・記』 ショートシナリオストーリーブログ  

『bar -happy-』

カウンターだけの小さなバー。


客の男がひとり飲んでいる。


ビールをいっきにあおる。


客の男 「何かに挑戦するってスゴイ勇気がいるよね・・・」


カウンターの中でワイングラスを磨く店の男。


客の男 「若くないからな~、もう・・・」


ワイングラスを黙々と磨く店の男。


客の男 「だからいつも、考えちゃう、迷っちゃう・・・」


カラになったグラスを差し出す客の男。


磨きぬかれたワイングラスに赤ワインを注ぐ店の男。


店の男 「挑戦という言葉は好きだなー。挑み戦う、だからね。」


ワインレッドに輝くグラスを差し出す店の男。


店の男 「挑戦に年齢は全く関係ないね」


ワイングラスを持つ手が止まる客の男。


店の男 「ワクワクする想いのままに行けばいい」


じーっと一点を見つめる客の男。


店の男 「あんまり考え過ぎず、今を楽しもう。

      この世に遊びに来ているつもりで。

      毎日をハッピーに過ごそうとすることが一番大事かな。」


客の男、何度も小さくうなずく。


何か吹っ切れた表情でワインを味わう客の男。


店の男は再びグラスを磨き続ける。


(ナレーション) 今日をHAPPYに!