学校の子どもたちが好きな
理科室のお友だち
理科の授業のはじめとおわりに
いっしょにあいさつもしてる
人体模型くん
ガイコツさん
わたしは
きこえる夫
といっしょに
といっしょに30年以上育児をしている
アラフィフできこえる4人の子どもの
きこえないワーママ
＊1番上の子と末っ子はかなり年が離れている
わたしには
おっくんという気になっている学校の子どもがいる
今年の春に特別支援学校の幼稚部から
小学部へ進級したおっくん
おっくんのような個性的なお子さんは
教師として
初めて接した
おっくんには
診断名はないと聞いている
けど
おっくんはこんな唯一無二の個性がある
ついつい朝から夫に
こんな楽しいことがあってねーと
話してしまう
ソファーで寝ながら撮った
朝はやい時間の世界でいちばん大好きな我が家のリビング
おっくんはねー
1対1で話すときでも自分の世界を探索するのよー
いろんな物に自分のベースで触るんだけど、
特に丸い養生テープが好きなの
授業中に歩き回るのー
いつでもトイレに行こうとするの
絵を描くより図工室の探検に夢中なのねー
担任の先生が可愛がってねと言った
朝顔の種を鉛筆でツンツンするのは笑った
大きな画用紙に絵を躊躇なく思い切り描くのよねー
担任の先生が「朝顔の種をよく見て書いてね」
というと、
大きな画用紙にそのままのサイズで描くから
吹き出すのを堪えちゃった
子どもの世界が大好きな夫も興味津々で聞いてくれる
おっくんはねー
自分の世界で拍手するのに、なにが楽しいのか聞いても教えてくれないのー
女の子の髪の毛が好きで後ろからクンクンするよのね
女子トイレにも堂々と入るしー
体育の時間のダンスも全然動かないけど
補助の先生がおっくんの手を持って、
動かし方を教えるとうれしそうに踊るのよ
いつも椅子に座るときナナメに座るのよ
机とほっぺたをくっつけるほど仲良しなの
お母さんに会いたくて授業中に「もう帰る！」と言うの
＊特別支援学校の低学年は保護者の送迎がある。
担任の先生に「まだ帰る時間じゃないよ」と言われると泣いちゃうのよ
お母さんを見つけるとうれしそうに両手を開いて駆け寄るところが、かわいいのよねー
20代のときに多様性の坩堝アメリカに留学してた
きこえない少数派のわたしだからなのか
そんなおっくんのことを素敵だなと思う
けど
どんな先輩の教員に聞いても
日本の公立の特別支援学校で求められる教育は
学校生活をするうえで
授業中はまず座ること
集団行動ができることを
目指すと言われる
とはいえ
家庭でも学校でも
教育には
正解がない
いいじゃないか
おっくんはみんなと同じことをやらないだけ
そのままのおっくんでいつもゴキゲンでいてほしい
担任の先生が根気よく教えたおかげで
すこしずつみんなと同じことができるように
なっていく
それっておっくんはうれしいのかな
楽しいのかな
おおきくなったときも
おっくんは楽しい人生を送れるかな
そうだといいな
ある特性のマイノリティ（社会的少数者）が
生きやすいと
きっとマジョリティ（社会的多数派）も
深呼吸をしながら生きやすい
意味があって
出会った
わたしたちは
見えないけど
まあるくつながっている
こんふうに
アーチ状のコンクリートの隙間から
生えている植物たち
街と自然の織りなすアート
わたしと出会った
学校の子どもたちは大事な存在
わたしはアラフィフにして
学校の子どもたちに会いたくて
いっしょに未来を作りたくて
いっしょに成長したくて
外資系企業で働きながら
通信制の大学に編入学し
教員採用試験を受け
有給とって
教育実習に行き
大学も卒業し
20ン年働いた外資系企業も
退職させてもらった
このエネルギーはなんだろう？
今日もわたしに何かできるかな？
学校の子どもたちにとって
わかりやすい授業ができるように
研究しよう
