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若かった夫と
幼い長男アースと
長女フォーチュン
標準的な4人家族だった頃
違うのは
母親のわたしはきこえない
わたし以外の家族はきこえる
ここから昔話
当時はカメラで
撮影したら
フィルムを写真屋さんに
現像を依頼していた
手元にある
大量の古い写真を眺めて
今は20代の長男と長女に
こんな幼いときがあったのか
夢見てたように
実感がわかない
小さいときは
「まま だいすき!」
って
ほっぺたくっつけてくれた
いとおしくて
わたし:「これ以上大きくならないで」
とお願いしたら
アース:「だめだよ」
わたし:「なんで?」
アース:「まま おばあちゃんになっちゃう」
って
たくさん
たくさんの
おもいで
積み重ねて
いまの家族がある
きこえないわたしは
家族のなかで
きこえないということ
不便だと思ったことがない
いつも一緒にいる家族
口もとが見えれば
言いたいこと
だいたいわかる
たまに
聞き間違えることもある
そんなときは爆笑を誘う
お兄ちゃんアースが
わたしの肩をトントンして呼ぶ
「まま ピンポンなったよ」
「まま おなべ コトコトしてるよ」
「まま フォーチュンが泣いてるよ」
育児は
子どもが増えるほど
楽になる
1人より2人
2人より3人
3人より4人の方が楽
5人目は
年齢的にタイムリミット
子どもたちが
未熟なわたしを
母親にしてくれた
わたしは
夫と一緒に
子どもたちを抱きしめて
愛おしみながら
子育てを通して
育自ー
自分を育てることを
させてもらった
そんな
過ぎ去った日々
思い起こすと
胸の奥が痛くなる
1990年代のインテリアは
カントリー風が人気
ボロアパートの一室を片付けて整えた
トーマス・マックナイトの
明るいカリフォルニアの空と海の
アートポスターを飾ってた
約25年前のわたしの勤務先
今は死語となった
「寿退職」が女性にとって
ステータス
当時の部署に
ワーママはわたしだけ
子どもが熱を出すたび
休みを取ったり
早退したり
肩身が狭かった
ときに
出勤が早く帰りが遅いわたし
代わりに
保育園に送り迎えをする夫
働いているのかしらと
白い目で見られたことも
今では笑い話
いまの
会社は
時短勤務のワーママだらけ
16時になると
「お先に失礼します」と
堂々と退社する
見慣れた光景
だけど
社会と男性の意識は
当時と大きく変わっていない
そのはざまで多くの
父親たち
母親たちが
涙ぐましい
奮闘をしている
特に
母は
命を授かり
体内で育み
自分の命をかけて出産し
慈しみながら
子どもたちを育てる
母親は
偉大で
すごい存在
けど
辛いことがあると
母親だって
泣きたいときもある
そんなとき
わたしは
子どもにお願いした
わたし:「ママね、会社でいやなことがあったんだ
泣いてもいい?」
アース:「うん。いいよ!」
わたし:「頭なでなでして」
フォーチュン:「いいよー!」
子どもたちの
なでなでは
最高の特効薬
子どもは本質的なところで
わたしより
ずっとずっと大人
夫に
アースに
フォーチュンに
母親をやらせてもらった
きこえないわたし
あと数年で
母親の役目が終わってしまう
わたしに
家族に
ありがとう