今日はセンター試験の願書の受け付け開始の日だった。さっそく出願。

予備校の冬期講習も希望通りに予約できた。あとは会費を振り込むだけだ。

かくして、冬の受験期に向けた準備を始め、思いつく限りはやった。(肝腎の勉強は…、だけれど)

今日はさらに、予備校の帰りに、今度の模試の会場の下見に行こうと思った。

場所は渋谷。初めての街。地理選択者に特有の心理か新たな探検に心が躍る。
地下鉄副都心線で渋谷駅の最深部に到着。

渋谷駅の地下の「天空の城ラピュタ」に出てきた要塞のような地下迷宮を突破し、

目が回りそうになるほど折り返し、また折り返しつつひたすら続く階段を上り、

(上りきった所に「この階段は約100段あります」という貼り紙があった。先に教えてくれ、鉄道会社よ)

やっと地上。迷路を脱出した、



と思ったら、地上の方がさらに迷路だった。

四方八方に延びる坂道、輝くビルの群れ。僅かな隙間も埋め尽くす店、店、店。

頭上を見上げれば三層、四層と重なる線路とホーム。首都高まで通っている。

それなのに、さらに線路を増やしその上に高層駅ビルを建てる工事をしているなど、この街をどこまで立体迷路にしたら気が済むのだ。

人の波、車の波の間をさ迷うけれど、近くにあるはずの警察署さえ見つからない。道を尋ねることもできない。

だんだん気力が失せてきた。そしてすれ違う人々は微妙な視線を投げかけてきた。

なにせ渋谷を歩くのに、全くの普段着に背中にはリュックサックという格好なのだ。

これではまるで山手線を半周したところにある「ア○バ」とかいう街から、その住人の中でも特にさえない奴が「シブヤ」の雰囲気をぶち壊しにやって来たみたいではないか。

それでもいろいろ歩き回ったが、目的地ゆきのバスの乗り場を見つけただけだった。

徒歩13分と案内書には書いてあったが…、その距離を移動するのにバスを使うのか…。

地理選択者、またしても敗北。道に迷った。

門限も近くなったので撤退を決めた。模試当日こそは一発で目的地に着いてやる、と実生活の地理には頗る弱い地理選択者は思うのだった。