胎内記憶というのが、
数年前から ある界隈で、
話題になっている。

胎内記憶というのは、
生まれる前のことを覚えていること。

 

私はよくいる、
生まれる前のことなどは覚えていない人間だけど、
覚えている人を否定する気など さらさらない。

 

胎内記憶か…、
私は何も覚えてないな…、
私もずいぶん、地上の垢に染まったもんだわ…、ハハハ…、
という感じ。


 

娘はこの間8歳になったのだけど、
8歳になる少し前に、
何気なく、
「ララちゃん(仮名)は生まれる前のこととか、覚えてる?」
と聞いてみた。

 

娘は少し不思議そうに、
「ううん、覚えてないよ。」と言った。

私「そうかー、そうだよねー、ママも一緒。
なんか、雲の上にいたとか、神様がいたとか、
そういうの覚えてる子もいるんだってー。」

娘「雲の上?それなら覚えてるよ。」と、
当然のことのように、ペラペラ・スラスラと話し始めた。

娘はウソを言ったり、作り話をしている訳ではない。
親が見ればすぐにわかる。

娘は言葉が相当遅くて、
まだたどたどしい話し方をするのだけど、
その言葉を だいたい聞いたまま、
書き残しておこうと思う。



ララちゃん、雲の上にいたよ。
大きな、ララちゃんよりずーっと大きな神様もいた。
白い神様。

雲の上から、青い地球が見えたよ。

雲の上から肌色の大きなすべり台ですべるの。

すべった所は広場みたいになってて休めるの。
そこに、iPadみたいなのがあるの。

そのiPadにママの顔が出てて、ママを選んだの。

その広場には、もっとたくさんの小さなすべり台がいっぱいついてて、
そこからすべってママのところに来たの。

(私「でも、どのすべり台をすべったらママのところに来るのか、わかるの?
そのすべり台に、他の子がすべっちゃうってこと、ないの?」)

(当たり前と言った感じに)そんなこと全然ないよ。
赤ちゃんの名前が呼ばれて、
すべり台が光るから、
そしたら その赤ちゃんが、光ったすべり台に行ってすべるの。

ララちゃん、神様に1個プレゼントもらったの。
丸いボール。
(私「丸いボール?どんなボール?」)
スーパーボールみたいできれいなの。
ララちゃんのは白くって、ピンクのシマシマ模様だった(誇らしげ 笑)。

 

(私「ララちゃん、すべり台すごく怖がって、
小さい時なかなかすべれなかったけど、その肌色のすべり台は怖くなかったの?」)

ううん、全然!

 



これ以上のことは、もうあまり覚えていないようだけど、
もう少し小さい時に聞いておけば、
もうちょっと覚えていたのかもしれないな…とも思う。

ただ、うちの子のように言葉が遅い子だと、
それを大人に伝えるのは、正直なかなか難しいことだとも思う。

朝起きると、どんな夢を見たのか、
それどころか、夢を見たことすらも、
驚くほど見事に忘れてしまうように、

たぶん娘の記憶からも、
この生まれる前の素敵な記憶は消えていくのだろうな…。

娘がいつか私の若い頃のように、
「魂なんかあるか!
死んだら何もない!無になるだけだ!」と、
この迷いの世界に足を入れ始めたら、

 

「…そうかなぁ…、
でもララちゃんは、
こんな素敵な世界から来たんだって。

ララちゃんが小さい時、

一生懸命おしえてくれたよ。」

って、一応そっと、伝えてみよう。