胎内記憶というのが、
数年前から ある界隈で、
話題になっている。
胎内記憶というのは、
生まれる前のことを覚えていること。
私はよくいる、
生まれる前のことなどは覚えていない人間だけど、
覚えている人を否定する気など さらさらない。
胎内記憶か…、
私は何も覚えてないな…、
私もずいぶん、地上の垢に染まったもんだわ…、ハハハ…、
という感じ。
★
娘はこの間8歳になったのだけど、
8歳になる少し前に、
何気なく、
「ララちゃん(仮名)は生まれる前のこととか、覚えてる?」
と聞いてみた。
娘は少し不思議そうに、
「ううん、覚えてないよ。」と言った。
私「そうかー、そうだよねー、ママも一緒。
なんか、雲の上にいたとか、神様がいたとか、
そういうの覚えてる子もいるんだってー。」
娘「雲の上?それなら覚えてるよ。」と、
当然のことのように、ペラペラ・スラスラと話し始めた。
娘はウソを言ったり、作り話をしている訳ではない。
親が見ればすぐにわかる。
娘は言葉が相当遅くて、
まだたどたどしい話し方をするのだけど、
その言葉を だいたい聞いたまま、
書き残しておこうと思う。
★
ララちゃん、雲の上にいたよ。
大きな、ララちゃんよりずーっと大きな神様もいた。
白い神様。
雲の上から、青い地球が見えたよ。
雲の上から肌色の大きなすべり台ですべるの。
すべった所は広場みたいになってて休めるの。
そこに、iPadみたいなのがあるの。
そのiPadにママの顔が出てて、ママを選んだの。
その広場には、もっとたくさんの小さなすべり台がいっぱいついてて、
そこからすべってママのところに来たの。
(私「でも、どのすべり台をすべったらママのところに来るのか、わかるの?
そのすべり台に、他の子がすべっちゃうってこと、ないの?」)
(当たり前と言った感じに)そんなこと全然ないよ。
赤ちゃんの名前が呼ばれて、
すべり台が光るから、
そしたら その赤ちゃんが、光ったすべり台に行ってすべるの。
ララちゃん、神様に1個プレゼントもらったの。
丸いボール。
(私「丸いボール?どんなボール?」)
スーパーボールみたいできれいなの。
ララちゃんのは白くって、ピンクのシマシマ模様だった(誇らしげ 笑)。
(私「ララちゃん、すべり台すごく怖がって、
小さい時なかなかすべれなかったけど、その肌色のすべり台は怖くなかったの?」)
ううん、全然!
★
これ以上のことは、もうあまり覚えていないようだけど、
もう少し小さい時に聞いておけば、
もうちょっと覚えていたのかもしれないな…とも思う。
ただ、うちの子のように言葉が遅い子だと、
それを大人に伝えるのは、正直なかなか難しいことだとも思う。
朝起きると、どんな夢を見たのか、
それどころか、夢を見たことすらも、
驚くほど見事に忘れてしまうように、
たぶん娘の記憶からも、
この生まれる前の素敵な記憶は消えていくのだろうな…。
娘がいつか私の若い頃のように、
「魂なんかあるか!
死んだら何もない!無になるだけだ!」と、
この迷いの世界に足を入れ始めたら、
「…そうかなぁ…、
でもララちゃんは、
こんな素敵な世界から来たんだって。
ララちゃんが小さい時、
一生懸命おしえてくれたよ。」
って、一応そっと、伝えてみよう。