小さい頃から子どもが大好きで
保育士になりたくて
その夢は叶えた

不妊の方は
子どもの姿を見るのも嫌だったり
年賀状の家族写真に傷ついたり
妊婦さんも無理だったりすると
よく耳にすることがあった

私はその経験がほとんどなかったのは
元来子ども好きだからだと思っていて
この先もそんな思いにはならないだろうと
ずっと思ってきた

最初に通ったクリニックでは
産科も不妊外来も同じフロアだったけど
1ヵ月検診に来ている親子を見るのも
後輩や友達の子どもをあやすのも
むしろ楽しい時間だった

それが今
生殖医療を終結して
その途端
年賀状の家族写真に
傷ついている自分に気づいた
テレビに映った赤ちゃんにも
目を反らせたい気持ちになったりしている自分に

初めて治療を終結したことの
とても大きな試練を感じている

子どもを授かることが難しいことは
わかって治療を続けてきたけど
本当に授かれないんだなぁと
頭ではなく体で感じ取っている

授かることの執着も
していたから
長く続けてきたのだと思うけど
自分の中にこれほど大きなものが
横たわっていたとは考えもしなかった

今までも子どもの居ない生活を送ってきた
これからも
それは何ひとつ変わらないのに

この世には存在していないけれど
私の中には
すでにその子どもが生きていたことに気付き
そして
その子どもに会えるという未来は
存在しない現実に傷つき
そして
その事実を乗り越えていくことの
困難さにも気付いた

不妊治療の終結が
その人たちに与える新たな心の傷も
有ることを知った
ここにサポートのないことは
生殖医療の外のことと
思われているからだろうなぁと思う
本当は生殖医療の内側のことで
続いていることなのに・・・・

ここも含めての生殖医療のはずなのだけど
終結を迎えると
プツッと切られてしまう
だから何の援助もなく
それぞれの力で
乗り越えていかないといけない
それってキツいことだなぁと
本当に感じている