父の8年に及ぶ誤診は
現在
母の後悔を生んでいる
私と弟は
今、分かったことを良しとして
それまでは今思えば
いくつかのチャンスがあったけど
それを生かせなかったことを悔いるのではなく
今だからこその
これからの父の人生を
少しでも多くの笑顔の中で
過ごさせてあげたい方に
梶を切り始めた
もちろん後悔は沢山ある
あーしておけば
こうしておけば
もっと早くに楽にしてあげられたかもしれないと
でもその時々に考えられる最善を
選んできたのだから
そして時間は取り戻せないのだから
この先の父にとっての人生を
幸せなものにしてあげることを
考える方が良いと
それは母も分かっているけど
自分自身も透析や関節の痛みを抱え
それでも父を看病してきて
それなのに誤診であったことに
どうしても納得しきれない
想いや気持ちが有るのだろう
母の気持ちも分かるだけに
その気持ちを切り替えた方が良いとも
言えないのだけど
ひとりの医師によって
失われた8年はかなり大きい
そしてその医師は
誤った治療をしてきたことを
知ることもなく
他の人の治療に関わり続けていくのかと思うと
第2の父が出ないことを
祈ってやまない
母は父が歩いて笑顔で
自宅に帰ってくる夢を見たそうだ
あまりにリアルで現実の事かと思ったと
今わたしたち家族にとっては
父が元気になれるかもしれないということだけが
たったひとつの救いになっている