去年のお盆
送り火をたく日
実家の母の寝起きする部屋には
仏壇がある
父はレビー小体型認知症になってから
なぜかその仏壇のある部屋に
絶対に入らなくなった
レビー小体型認知症は幻聴や幻覚がある
時々父は
誰もいない部屋で
誰かに話しかけていたり
出て行けと怒鳴っていたりする
父には見えているし
聞こえているのだから
それを否定することは
絶対にしてはいけない
そして去年のお盆
夕方になって
父は母にこう言ったそうだ
「お前の部屋に人がたくさん居て
宴会をしている・・・」
母は「ご先祖様が帰ってきているから
みんなで食事している
もうすぐ送り火を焚くから帰るよ・・・」
それで納得する父は
やはり認知症だと思うのだけど
その裏で思う
いや・・・本当にご先祖様は居たのかも
集まって宴会をしていたのかも・・・
こんなことを父が言ったのは
後にも先にも去年のお盆だけ
その後の1年
父から仏間に誰かが居るなどと
そんな話は聞いていない
お盆に迎え火を焚いて
ご先祖様をお迎えして
送り火を焚いてお見送りすることは
単なる風習ではなく
やはりご先祖様は
本当に帰ってきているのではないかと
そんなことを思う
お盆って大切だと感じる