ある時から、私はテレビで活躍するオネェタレント(以前はニューハーフと呼ばれていましたが)に興味を持ち、憧れるようになりました。男性の体を持ちながら美を追求し、時には道化として周囲を楽しませる姿にとても心を惹かれ、私もそうなりたいと思いました。しかし、私は生まれつき女性なので、叶わぬ夢と思っていました。

 

そんな時、トランスジェンダーのホルモン治療のことを知りました。彼らは希望の性別に近づくために性ホルモンを投与するそうです。男性が男性らしく、女性が女性らしく見えるのは、染色体よりも性ホルモンの影響なのだと知りました。それなら、男性ホルモンを投与して男性の容姿になれば、簡単にオネェになれるのでは…?

 

夢を実現するため、早速男性ホルモンを投与することにしました。診断書不要でオンラインで処方してくれる病院があったので、そこに決めました。自己注射になりますが、慣れれば簡単です。こうして私の男性化が始まりました。

 

まず生理が止まり、続いて声の変化を感じました。何か喉に違和感が出てきたと思っていたら、日に日に声が低くなっていきました。オネェの最大の特徴は「男性の声」です。電話では男性と判断される程度の声になりましたが、対面では外見が完全に女性なせいか声の低い女性止まりでした。

 

並行して他の男性化も起こっていきます。体毛が濃くなったり髭が生えてきたりしました。特に髭は徐々に濃くなってきましたが、ちょっと剃り跡があるだけで一気に男っぽくなったように見えました。きっと元男性だと思われるに違いありません。

女性の格好をしているが男性の声で髭がある…ついにオネェのような状態になりました。しかし、男性化はオネェとして美を目指す上では不利な変化もたくさんありました。

 

例えば、男性ホルモンの影響で皮脂が物凄く増えました。ニキビはできやすいし、すぐに顔がテカってメイクが崩れてしまうし、毛穴が広がって肌が荒く汚く見えるし、そのうえ髭も生えるし…男性が顔を女性的で綺麗な状態に保つことは大変なことであると初めて知りました。体毛も濃くなり、脚や腕など脱毛しないと綺麗に維持できません。男性の声になった声帯で女性の声を出すことも至難の業で、上手く出来ません。

 

こうして男性が女性として振る舞うことの苦労を体感し、オネェになったことを実感しました。これからも男性ホルモンの投与は続け、性転換した元男性という体(てい)で生きようと思います。

 

 

※この物語は知恵袋の相談を元にしたフィクションです。ホルモンの効果には個人差があり、全員がこの主人公のような変化をするわけではありません。また、不可逆な変化を伴いますので投与は慎重に。何があっても自己責任となります。