オートガイネフィリア、自己女性化愛好性をご存知ですか?男性が、自分が女性になる妄想をしたり実際に女性化することで性的に興奮する性癖の一種です。トランスジェンダーと区別が難しいのですが、性欲由来のものという点で違いがあります。
では逆に、女性が男性化することに興奮することがあってもおかしくないと思いませんか?オートアンドロフィリア、自己男性化愛好性と名前もついています。実は私はこれなんじゃないかと思うのです。
私は以前から恋愛に興味がなく、体が男性化していく妄想で自慰行為をしていました。朝起きたら男性になっているとか、何故か体が男性化していくとか、強制的に男性にさせられるとか、そんな内容です。そのような妄想ばかりしていると、次第に実際に体験してみたい衝動に駆られるようになりました。
正規に男性ホルモンを打つには、性別違和の診断が必要です。これまで女性で生きてきて上手く行かず引きこもりがちになっていたのもあり、男性になってやり直したい気持ちもありました。過去に女性で嫌だったことなどを最大限に誇張したり、性別違和でよくある症状を盛り込んだりして、無事に性別違和と診断されました。
ホルモン治療を開始すると、妄想していたものが現実になっていきます。男性のような低い声になってきたり、髭が生えてきた時には興奮しました。そして性器にも異変がありました。米粒ほどにも満たなかったクリトリスが人差し指の先ほどの大きさになったのです。よく見ると男性器の亀頭の形になっていて、凄く興奮しました。感度も上がったようで、男性ホルモンの効果で性欲が増えたのと相まって、頻繁に自慰行為をするようになりました。
他にも細かい変化を挙げればキリがありませんが、男性化してから毎日の生活が楽しくなりました。鏡を見ると顔つきが男性っぽくなっていたり、顔を洗ったり手入れをする度に髭の存在を感じたり、電話に出ると男性と思われたり、街でも「お兄さん」と声をかけられたり。その度に性的興奮を感じますが、体が女性なので性的興奮を感じると濡れてしまいます。クリトリスが大きくなったことで下着に当たって物理的な刺激となって濡れることもよくあります。外見は男性になっているのに女性的な反応をする体とのギャップにも興奮するようになりました(笑)。
オートガイネフィリアの場合、男性が女性ホルモンを打つと睾丸が萎縮して男性ホルモンが減少し、性欲がなくなって女性化したい気持ちもなくなってしまうと聞きます。なので、ホルモン投与や性別適合手術をすると後悔するケースが多いそうなのです。
しかしオートアンドロフィリアの場合、男性化するために男性ホルモンを投与すると性欲が高まり、男性化したい気持ちがより強くなります。しかもホルモン投与を継続する限り性欲がなくならないので、手術や戸籍変更をした後も満足した生活を送れるのです。
とは言え、やっていることはトランスジェンダー男性と何も変わりません。オートガイネフィリアですらトランスジェンダー女性になる人がいるのですから、もしかするとトランスジェンダー男性の中に私のような人がいてもおかしくありません。私もオートアンドロフィリアであることは隠してトランスジェンダー男性として生きていくつもりです。
※この物語は実話を元にしたフィクションです。ホルモンの効果には個人差があり、全員がこの主人公のような変化をするわけではありません。また、不可逆な変化を伴いますので投与は慎重に。何があっても自己責任となります。