相川七瀬「夢見る少女じゃいられない」(1995年)

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午前0時の交差点
微熱まじりの憂鬱
なんだかすれ違う恋心
夜の扉すり抜けて
明日にたどりつきたい
約束なんか欲しい訳じゃない

車走らせるあなたの横顔
嫌いじゃない
少しだまってよ
ハートがどこか灼けるように痛いよ
ウィンドウあけて
街中に Bang!Bang!Bang!Bang!

もっと激しい夜に抱かれたい
No No それじゃ届かない
素敵な嘘に溺れたい
No No それじゃものたりない

鏡の中
今も ふるえてる
あの日の私がいる
夢見る少女じゃいられない

中途半端な距離ね
一番解って欲しい
言葉だけが絶対言えなくて
噂話や流行りのギャグなんてもういいよ
赤い月が心照らしてる

きっと誰かが
いつかこの世界を変えてくれる
そんな気でいたの
もう自分の涙になんか酔わない
ウィンドウあけて
街中に Bang!Bang!Bang!Bang!

もっと心まで抱きしめて
No No 愛が届かない
本気な嘘に溺れたい
No No それじゃ踊れない

鏡の中
今も 見つめてる
解ってる
いつまでも
夢見る少女じゃいられない

もっと激しい夜に抱かれたい
No No それじゃ届かない
素敵な嘘に溺れたい
No No それじゃものたりない

もっと心まで抱きしめて
No No 愛が届かない
本気な嘘に溺れたい
No No それじゃ踊れない

鏡の中
今も ふるえてる
あの日の私がいる
夢見る少女じゃいられない

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作詞は織田哲郎さん。

夜の扉すり抜けて
明日にたどりつきたい
約束なんか欲しい訳じゃない
約束なんてあてにしない。
今の気持ちを大事にしたい。
夜が明けて、明日になっても、今の気持ちが変わらなければ、それでいい。
欲しいのは、揺らがない心。

もっと激しい夜に抱かれたい
No No それじゃ届かない
素敵な嘘に溺れたい
No No それじゃものたりない
素敵な嘘は媚薬であり、劇薬。
所詮はその場限り。
後には何も残らない。

鏡の中
今も ふるえてる
あの日の私がいる
夢見る少女じゃいられない
大人の恋に手も足も出ない少女時代。
うぶだけど純粋だった。
年齢を重ねて、大人の恋も経験した。
なのに、未だに大人になりきれない。びびってる自分がいる。
気持ちだけは逸っているのだけど。

きっと誰かが
いつかこの世界を変えてくれる
そんな気でいたの
もう自分の涙になんか酔わない
ウィンドウあけて
街中に Bang!Bang!Bang!Bang!
迎えに来てくれる王子様なんていやしない。
他力本願じゃ幸せなんてやってこない。
幸せは自分で掴むものだと、高らかに宣言してみる。

もう王子様を待ってる女の子じゃない。
大人の世界に足を突っ込み、傷つき涙を流しながらも、大人になろうとしてもがいてる。
大人とは何だろう?
本音を隠して、スマートに飾り立てればいいの?
それだけじゃ足りない。
本音だけじゃ生きていけないけど、本音を隠してばかりじゃ生きている意味がない。
酸いも甘いも噛み分けて、その真ん中を生きていくのが大人なのだろう。