KIX-S「If…」(1992年)

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降り頻る雨音が
ひっそりと耳を打つの
走りゆく車の度に
あなたと願うの

どんな人の誘いにでも
乗れるほど一人きり
いつまでたっても慣れないわ

もし"SAYONARA"告げたなら
あなた変わるかしら?
過ぎ去った夢ねだるから
そっとドア開けて

"二人なら"
そう周りがひやかすときもあった
誰よりもその言葉に酔いしれた私なのに

長い髪をほどいた時
季節も変えてゆける
取れない電話が鳴ってても

もし"SAYONARA"告げてても
何も変わらないね
逃げるつもりもないけど
夢見たいから

「美しい想い出」と人は皆言うけれど
私の時はまだ追いつかない

もし"SAYONARA"告げたなら
あなた変わるかしら?
過ぎ去った夢ねだっても
届かないから

もし"SAYONARA"告げてても
何も変わらないね
逃げるつもりもないけど
夢見たいから

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作詞は浜口司さん。

降り頻る雨音が
ひっそりと耳を打つの
走りゆく車の度に
あなたと願うの
静寂の夜に、雨音だけが響いている。
いつもなら、煩わしいだけの車の音にさえ、愛しい人の影を求めてしまう。

どんな人の誘いにでも
乗れるほど一人きり
いつまでたっても慣れないわ
愛しい人の気持ちを掴めぬまま、無為に時だけが流れていく。
孤独が身にしみる。一人に慣れない自分。

もし"SAYONARA"告げたなら
あなた変わるかしら?
過ぎ去った夢ねだるから
そっとドア開けて
SAYONARAは最終兵器。
引き止めてくれなければ、そこでおしまい。
使いたくなんかないけれど、孤独に晒される今を変える為には、そういう選択肢もありかもしれない。

「美しい想い出」と人は皆言うけれど
私の時はまだ追いつかない
美しい想い出という響きは良さげだけど、所詮は他人事なんでしょ?
美化してみたところで、過去は帰ってこない。自分の中では、これは、過去なんかじゃない現実問題なんだから。


もしも、別れを切り出したら、相手は変わってくれるのだろうか。
これは、大きなリスクです。
しかし、そんな賭けをしなければならないほど、今の孤独は辛いものなのでしょう。
もしもの先にあるもの。
見たいようで、見るのが怖い。まるで、パンドラの箱みたい。