KIX-S「BLUE」(1996年)

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恋多き女だと思うの
静寂が胸に刺さる夜更け
時には猫の様に甘えて
誰にでも優しくなれるの

一目惚れ信じても
ロマンスに身を任せてみても
心とはうらはらに悪い噂飛びかってた

悲しい月が光を差し込んだ
この部屋であなたを失った
愛することを忘れてしまったの
切ない恋物語
なんとなく閉じた胸の扉
もう二度と解けない痛みに
涙さえいつしか消えていた
なのにまた恋をしてるBLUE…

「愛してる」誰にでも言える
手・品変えじょうずにやれてきた

SOAP作ってみたり
SOAP片手ひざまずいてみたり
心の奥潜んだ絶望苦笑いしてた

時間だけが足早に過ぎる
この街であなたを失った
恋することに器用になっていく
終わらない恋物語
もう一度あなたに逢いたい
ただそれだけが胸に灯をともす
そんな夢今でもみているの
誰に笑われてもいいBLUE…

悲しい月が光を差し込んだ
この部屋であなたを失った
愛することを忘れてしまったの
切ない恋物語
なんとなく閉じた胸の扉
もう二度と解けない痛みに
涙さえいつしか消えていた
そしてまた恋をしてるBLUE…

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作詞は浜口司さん。

恋多き女だと思うの
静寂が胸に刺さる夜更け
時には猫の様に甘えて
誰にでも優しくなれるの
静寂。
人によっては、孤独を掻き立ててみたり、人によっては、心を落ち着かせてくれたり。
この曲では前者ですね。
孤独に取り憑かれた彼女は、恋多き女と自覚しながら、色々な男に甘い言葉を投げかけるのでしょう。

悲しい月が光を差し込んだ
この部屋であなたを失った
愛することを忘れてしまったの
切ない恋物語
彼女の孤独の大元は一回の失恋。
一回だけど、重く突き刺さる心の痛手。
部屋に差し込まれた月の光を見つめると、その事を思い出してしまうのでしょう。

なんとなく閉じた胸の扉
もう二度と解けない痛みに
涙さえいつしか消えていた
なのにまた恋をしてるBLUE…
涙さえ枯れ果てる失恋の痛手。
恋を失う恐怖よりも、孤独への恐怖が勝る。
そんな彼女は、新たな恋を上書きしていく。

もう一度あなたに逢いたい
ただそれだけが胸に灯をともす
そんな夢今でもみているの
誰に笑われてもいいBLUE…
叶うかどうかが問題なのではなく、夢を心に宿せるかどうか。
ホンモノの絶望は、それすら許してくれない。
それに比べたら、夢を見ていられる今は、BLUEだけど、まだ底じゃない。