KIX-S「鮮やかに消えて」(1994年)

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そのあなたの偉そうな瞳
忘れてあげるわ笑い方もすべて
今夜が最後
言い返さず出ていく背中
独り残された部屋に飾ってある
二人の写真
今日も知らず微笑んでいるわ

secret love 待っていた
いつかは本命になれるなんてね
本当笑っちゃう oh

ah 鮮やかに消えて
追えないほどに見えなくなってよ
もう振り向かないで
呼び止める声が
届かない場所へたどりつくまで

あなたのこと恨んでない
今しか出来ない恋がしたかったの
普通の恋を
夢を見てたのあなたとの日々を

secret love 好きだった
愛されないままに
確かなものない闇の中で oh

ah 鮮やかに消えて
思い出抱いて見えなくなってよ
もう振り向かないで
きっといつまでも
その背中だけ覚えてるから

ah 鮮やかに消えて
追えないほどに見えなくなってよ

ah 鮮やかに消えて
思い出抱いて見えなくなってよ
もう振り向かないで
きっといつまでも
その背中だけ覚えてるから

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作詞は浜口司さん。

あなたのこと恨んでない
今しか出来ない恋がしたかったの
普通の恋を
夢を見てたのあなたとの日々を
失恋。
想いが届かなかった悲しみはあるけど、恨みはない。
恨んだって仕方がない。
ただ、心に燻る気持ちのやり場に戸惑っているだけ。
心に残る燃えかすも、いつかは消えていくのでしょうか。
それはそれで、なんだか寂しい気がします。

ah 鮮やかに消えて
思い出抱いて見えなくなってよ
もう振り向かないで
きっといつまでも
その背中だけ覚えてるから
恨みはないけど、鮮やかに消えてという表現が、今の心情を抉り取っているような気がします。
笑顔でニコニコ別れられるはずもなく、去っていく背中をただ見つめるしか出来ない無力感。
とにかく、もどかしい。

自分から別れを切り出すしかない状況。
思いが通じない悔しさ、切なさ、もどかしさ、そういった感情がぎゅっと詰まっている曲です。