性同一性障害とは、
心が自認にしている性別と、
肉体的・生物学的な性別が一致しないことで苦しむ、
という障害である。
その苦しみにもいろんな種類のものがあるが、
今回は「名前」についての苦悩を記していこうと思う。
ひかる、というのは、
このブログを立ち上げるためにつけた名前であって、
本名は違う。
もともと、この世に生を受けた時、
親から(正確には祖母から)授かった名前は、
いかにも女の子です!という可愛らしい名前だった。
いまだに町中やTVドラマの中でその名前が出てくると、
心臓がバクバクして、体中から冷汗が出る。
その名前で呼ばれるたびに、
自分は男ではない、
ということを突き付けられているように感じていたからだ。
小学校低学年のころ、嫌な思い出がある。
あまりにも自分の名前がいやで、
テストの名前の欄に別の名前を書いた。
たしか、「明」とかいた記憶があるが定かではない。
数日後、テストが返却され、名前のところには先生の赤ペンで、
「??なんですか、これは??」
と大きく書かれて、全問正解にも関わらず、「0点」をもらった。
名前の未記入、と同等の扱いとされたのだ。
その時は大きなショックを受けた。
進級するたびに、
持ち物にフルネームを書かないといけないのも
嫌なことのひとつだった。
小学校・中学校・高校・大学と進学するたびに
【自己紹介】の時間がある。
あれもまた苦痛の時間だった。
苗字のあとに、名前をいうのが嫌で、
フルネームを名乗らないことも多々あったし、
ニックネームで呼ぶように自己紹介をしたこともあった。
学生時代に飲食店で働いているときに、
名札をつけていたが、フルネームの職場は下の名前は隠すようにしていた。
それを注意されることもあったが、
そういうバイト先での勤務は長続きしなかった。
社会人になると名刺交換をする機会が増える。
それがほんとうにしんどかった。
「意外とかわいらしい名前なんですね」
と言われたりすると、その渡した名刺をびりびりに破きたくなった。
コールセンターで働いていたときに
電話を終えるときにフルネームを名乗らなければいけなかったが、
いつも苗字だけにしていたので、勤務評定が下がってしまった。
名前にかかわるエピソードや苦悩は
たくさんありすぎるので、ここまでにしたいが、
一刻も早く【改名】をしたい。
そう思って準備を始めたのが、23歳のころからだった。
改名に必要な手順については別の記事で書きたいと思う。