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さあ、
俺の話しを聞いてくれ。

普段のランニングで連想する一般的な格好と言えばTシャツに短パン。

 

走り始めた4年前は、上下ジャージに量販店のエセナイキ。

当時はこれでなんの不都合も感じなかったが、そのうちランニングギアを漁りだす。

 

それは快適性というより、どちらかといえばオシャレ指針、オフィシャルサイトのモデルが着用するウェアに憧れてしまう。

そう、そこは自分の走力やウェアの機能はほぼ度外視、購入する判断基準はカッコいいか悪いかだ。

 

特に「ランニングタイツ」へ強い関心を抱く。

 

それまで俺のタイツへのイメージは、

 

男性タイツ→バレエダンサー→もっこり

 

なので、タイツを装着するという行為はニッチ嗜好で限定的、ましてやこちら中高年、ややもすると「仲本工事」的で非常に難度が高いと思われた。

 

それが、「おぉ、かっこええー!」となる。

 

脚のラインが美しくスタイルが決まっている、まさに魅せるウェア、俺の抱くタイツ感は根底から覆る。

 

ただ、ロングタイツに関してはどうにもいけない。

そりゃそう、モデルが履くからこそ美しくカッコいいのであって、中高年者のやや肥満と中背がそれを装着すると「仲本」が際立ってしまう。

 

だからと言ってタイツ+短パンの組み合わせは女子仕様。(個人の感想、わたくしタイツはノーパン派です)

 

たしかに「仲本」を封じるには効果的だが、中高年+肥満+女子仕様ではもはや「走る迷惑」でしかない。

 

以上の経緯からすべてのランニングは「ハーフタイツ」を履いて行ってきた。

 

ロングとハーフでどう違うかをうまく説明できないが、ハーフは視覚的に「仲本」を抑え気味なようで俺はカッコいいと思ってるフシがある。

 

 

さて、今まで計4本のハーフタイツを購入したのだが、結局初めて買ったアシックスしかほぼ履いていない。

 

使用頻度は早々な劣化につながりやがて穴が開く、じゃあ買い替えるかと思いきやすでに絶版、フリマサイトを漁るも納得できる品はない。

もはや補修しかないのだろう。

妻に裁縫をお願いすると、タイツは伸びる糸や伸縮が同等の生地、技術が必要と断られる。

それではと、アイロンで接着する補修生地で試してみるも、数度の使用で剥げてしまった。

 

もうプロに頼むしかない。

 

 

店名からして50を過ぎた中年男性には縁がなさそうで、若干来店に抵抗はあったものの選択肢は無い。カウンターにおずおずと人差し指大の穴開きタイツを差し出した。

 

「これは裏から布をあてがって穴を塞ぐしかないですね。

ただし、あて布を縫った端は固定されるため、そこから裂けていく可能性があります。

ミシンで広範囲をジグザグに縫うので見た目も良くはありません。

また、以前の様なストレッチ性を再現することも保証できかねます。

それでも良いですか?」

 

(ほぼネガティブ要素しかねぇな…)

 

あ、いや、お願いしたとして、もし納得がいかないようなら糸をほどいて元通りにすることは可能でしょうか。

 

「ご要望範囲の補修で4500円ですが、さらに料金を頂くことになります。」

 

どうやら3年前5000円弱で買ったこいつに同等以上の投資が必要らしい。

 

(ここまで来るのに車で30分以上、なんだかんだで休日の午前を費やした。この機を逃したら俺は「ママのリフォーム」に行くことは一生ないだろう、なによりめんどくさい、補修された実物を履いてみないことには評価できないだろうし、一か八かお願いするか)

 

それでは仕上がりは一週間後となります、ありがとうございました。

 

 

仕上がり一日前。

 

「大変申し訳ありませんが、あて布用のニット生地の到着が遅れまして明日の受け取りは17時以降となります。よ、よろしいでしょうか?」

 

めちゃくちゃ恐縮されて可哀そうになったので受け取りを一日延長する旨伝えたら大変感謝される。

 

そしてここぞとばかり、「それではプロの仕事を期待していますね!」とあおる。

 

 

 

見た目は店員の告知通りの仕上がりだが、こちら了解のうえなので仕方ない。

大事なのは機能と強度だが、店内の更衣室で試着してしゃがんでみても違和感はなかった。

総じて満足な仕上がりだ。

 

 

今年の夏は特に暑い。

お気に入りのタイツをお直しに出したためもあり、走り始めて4年目の夏、初めてランニング用の短パンを買った。

 

結果、めちゃくちゃ快適でタイツを卒業してしまったようだ。