お、冷蔵庫に豚コマちょっと残ってたなラッキー!
なんて、残業から帰宅した50代のオジサンが野菜刻んでるのはどうなんかな。
よく言えば哀愁漂うっていうか、寂しさが滲み出ているような。
いや、この時の俺から滲んでいたのは、蛇口から出てくる赤サビ混じりの水道水の様な空気感だろうか。
そして、自炊と割引弁当が特段不満に思えなくなっている現状は、俺を永遠にナイスミドルから遠ざける、とある筋の力が働いているためだろう。
フライパンから直食いの野菜炒めは、案外上手く出来たって自画自賛からのストロングゼロで消化中、ながらユーチューブで懐かしの洋楽を漁る。
ユーロビートでデッドオアアライブからのストゼロで昇天。
気付けば時刻は22時を越えている。
「走りに行くか」
極まれにあるのだが、それは今じゃないでしょう的な、明後日の方向に向いたヤル気スイッチが入る時がある。
どうやらそのスイッチを押したらしい。
残業して自炊して風呂入って酒飲んで日付変わる目前の「走りに行くか」
いや、自分でも何やってんだっていう自覚はある。
ただでさえ連日年末の繁忙期で疲れている。明日も忙しい。少しでも身体を休めて明日に備えなければって。
しかしだ、若い頃は酒に酔って気分上げちゃってキャバクラ行っちゃうのが「走りに行く」に変わっただけだ。ある意味健全だよ。
22時を過ぎた川沿いは人影も無く、道路を照らす車のヘッドライトもまばら。
多少酔いが入った体に師走の寒さはあまり感じず、成り行き任せのビルドアップが気持ち良かった。
これ、けっこういいタイム出てんじゃないか?なんてログを見るも勘違いだと知る。
この日2回目のシャワーを浴びながら、「何やってんだか」という思いは、いつの間にか「俺はまだやれるんじゃないか」って思いに変わっていた。
まあ、どうせまだ酔ってたんだよな笑