いつだったか関東の飲み屋でドコそれ?東北のほう?と言われたこともある、数多のランキングでだいたい後ろから数えて15番目くらいのポジションに常駐する山口県。
そんなマイナーな県なのに、よりによってTOKYOマラソンと同日に開催するものだから余計にもからっ風で漂流感を強調してしまった、野球の独立リーグ的なサッカー界で言えばJFL下部組織的な山口県は岩国市の錦帯橋ロードレース。
そして、テレビの星座占いで「人に優しくしないから優しくされないのです」的な、たいてい悪い事しか書かれていないが、何故かラッキーカラーだけは虹色なサソリ座の俺は、そのローカル&アットホーム的なスタートラインに立った。
公道に落書きしたのは俺ではない的な。
すべてはここから始まった。
走るのは楽しい。
だが、「マラソン大会?いやぁそんなガチじゃないし、俺なんかとても大会とか…」って興味はあるのに、イモ引いてるビビり感で参加を敬遠躊躇してきた。
しかし、去年初めて観戦に行ったこの大会で心が動く。
挑戦的なペースのエリート、激しく吐く息、苦悶の表情、脚が攣っても再度走りだす中年。
こんなドM全開な光景なのに眩しい。すべてのランナーがカッコイイ。俺もレースに出たい、マラソン大会に参加してみたいと強く思うことになる。
そして明日、俺はそのスタートラインに立つ。
妻から入電。ふっ、応援してくれるんだな。
「給料明細まだ来ないんだけど、毎回前日には来るのになんでやろ?」
その話、今じゃないとダメか?
とは言えてない。