俺とハング その16(言いようもない不安?) | オレブログ

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さあ、
俺の話しを聞いてくれ。

・・・

・・・

グライダーをたたんでから数時間。

俺は宿泊先のホテルのベットに座り携帯電話を見つめている。

 

10数件かかってきていた中で留守電が残っているのは3件。

 

が…で、…わかったな。ピー

 

3件中3件ともこんな感じで何が言いたいのかサッパリだ。

 

帰りの車の中でも気になって、何回も掛け直そうと思ったが躊躇してた。

普段滅多に電話をかけてこない親父からの10数件にも及ぶ着信。

すぐにかけ直すのが普通だ。だが、何かドス黒い不安が電話を掛けることを拒む。

 

何か問題か…まさか。

以前飲んだのは一年くらい前か。まだくたばる年じゃない。

ガタイは相変わらずデカく、歯槽膿漏で口が臭いくらいで健康そのものだった。

 

他か?!母親とは疎遠だが、たまに話す妹からは不安な話題は上がらない。

そういえば、とぎれとぎれの留守電の声には悲壮感は感じられない。

 

だが、なにか例えようもないこの不安感はいったいなんだよ…。

しかもあれから一回も着信は無い。

 

ブブブッ

 

ドキーッ!!

 

思いを巡らせている最中突然のバイブ。

ハ…。

 

ピッ

 

おいっ!シグマァ?シグマか?

 

…ハッはい。

 

おまえコラッ!100回くらいかけてんだぞっ!親の電話に出ないなんてどういう了見だ!あっ?

 

 

(…超元気じゃねーか。クソがっ。俺は何にビビってたんだ?)

 

明日休みだろ。ここに迎えに来てくれ。ゴニョゴニョゴニョ…じゃあなガチャッ。

 

言いたいこと言うだけ言って切りやがった。

 

しかし、迎えに来てくれって…。

「ムーンフォレスト」ってあの…グライダーサイトの近くにあるラブホじゃねーか?

 

その17につづく。