俺とハング その15(親父からの電話) | オレブログ

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さあ、
俺の話しを聞いてくれ。

更クサ山から500キロ離れた出張先のローカルエリア。

地元の仕事仲間に聞いてやって来た。

ただ、ここで活動してるクラブの連絡先まではわからない為、休みの度に通い、何度か目でフライヤーと出会う事ができた。

 

 

こんにちは。シグマって言います。

ああ、代表のウカジだ。よろしく。

 

宇梶剛士似のウカジさん。

初対面の俺にやや固い態度。

 

で、シグマさんは何乗ってるの?

 

とりあえずビジターの馬の骨に「オマエどこ中だよっ」と一発かましてくる。

 

はい。モイスのエクストラライトです。

 

ほぉー。まあそのくらいの機体だったら乗れてんだね。

 

モイス エクストラライト。

紙巻きたばこ銘柄ではない。

モイスグライダー社製。フロムオーストラリア。当時はそこそこイケてる機体だった

長男が生まれた年に中古だが内緒で購入。後にばれて色々あった思い出のグライダー。

なお、一年前にも同じことをして怒られてる模様。

 

 

で、フライヤー登録証は?

C証です。

 

フライヤー登録証。

JHFが発行する技能証兼保険証みたいなもの。

法的には必要ないが、個人の能力と補償を表す為、これが無いとビジターはまず相手にされない。

C証とは、まあ保護者がいれば飛んでいいよくらいなレベル。

 

じゃあまずは大丈夫かな。

 

ブブブッ

携帯電話に着信。

(ったく。今大事なとこだわ。)

 

じゃあ、飛ばせていただいても良いですかっ。

 

ああ、いいよ。うちのメンバーも紹介しようか。

 

ありがとうございますっ!

(案外いい感触だな。フレンドリーじゃん。)

 

 

じゃあ、シグマ君つぎ行っていいよ。

 

更クサ山と違い山の斜面から直接テイクオフするスタイル。

整備され開けたテイクオフはプレッシャーを感じない。

 

穏やかな条件でまあまあのソアリングが楽しめた。

苦手なランディングも決まり機体をたたみ始める。

 

ブブッ

着信お知らせ10件。

 

…親父だ。

 

すべて父からの着信。

住む場所が離れている為と、俺の仕事の性質上会うのは稀。

当時は、たまに電話してたまたま都合がつけば飲むって間柄だった。

 

普段かかってこない親父からの鬼電。

 

 

嫌な予感しかしなかった。