俺とハング その14(郷に入れば郷に従う) | オレブログ

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さあ、
俺の話しを聞いてくれ。

長男が生まれた。

 

今まで全ては自分中心。欲望のまま好き勝手に生きてきた。

だが俺も父親だ。これからはまっとうな社会人として家族を養おう。

遊んでばかりでは食っていけない。

俺は年貢を納める事を決めたはずだった。

 

 

ウッヒョー!

 

新しいフィールドに新しい機体。なんて楽しいんだハンググライダーって奴は!

気付けば、しっかり出張先にもグライダーを積んで移動するジャンキーになっていた。

 

 

ここは地元から約500キロ離れた場所のハンググライダーサイト。

川沿いに山が連なり、調子に乗って飛んでいると航空管制空域に到達してしまう更クサ山とは少々毛色の違うエリア。

 

詳しくは知らんがこの空域には入ってはいけないらしい。まあ普通の飛行機と空中で接触してハンググライダーが勝つことは無いからな。

だが、ハンググライダーは法的に分類すると空中を漂うゴミと一緒なので、本来は何ら制約を受けることなくどこでも自由に飛ぶ事が出来る。

ただし、当然危険だから自主規制している。当時はそう教えてもらった。現在はどうかわからん。

 

シグマって言います。よろしくお願いします。

 

やっぱりこういう場面は緊張する。

ここでの俺の立場はビジター。いわゆるよそ者だ。

 

ローカルには当然ながらそのエリアを管理するクラブがある。

マナー的にも挨拶をして許可を得ると飛ぶことが許される。エリアによってはビジネスライクにビジター料を請求され、回収以外は何のお構いもされることなく飛べるエリアもあった。

 

先にも書いたがハンググライダーと言うスポーツは飛ぶときは一人だが、飛ぶ前と後は人の手を借りないと結構大変な労力を要する。その為にも、よそ者はへりくだらなくてはならない。

 

例えば、更クサ山の場合。

① 着陸するランディング場へ最低2台の車で向かい、1台は駐車する。

② もう1台の車に同乗、全員の機体を積み更クサ山に到着し飛ぶ。

③ 更クサ山とランディング場にそれぞれ車が放置されることになる。

④ ランディング場に最低2名が降り、2名で①の車に乗って更クサ山の車を回収する。

 

上記をひっくるめて「回収」という。とにかくめんどくさいし、時間がかかる。

もし、ローカルで挨拶もなく勝手にこの行為をぶっ飛ばし、自分の車で山頂に行き飛んだとして果たしてその後どうなるか。

 

テイクオフの車回収に行くんですかぁ?ぜひ同乗させてくださいぃ♪

 

はっ?誰だよテメー。ブゥゥンブイィィィ…。

間違いなくこうなり、日が沈みかけていく山道をトボトボ一人登山確定となる。

 

 

ちなみに大概のフライヤーの嫁や彼女は、

 

① (大自然の空気を吸ってみようよ。リフレッシュできるよ♪ハイキング気分でさ♡)

② なんて言葉巧みに誘い出され、付き合ったのはいいが旦那や彼氏が相手してくれるのはテイクオフまでで、気づけば誰一人いなくなり山頂で放置プレイ。

③ 仕方なく運転しにくい山道をしかも他人のヤニ臭い車で下山。

④ それ以降二度と来なくなる。

 

以上はデフォルト仕様である。

 

その15に続く