【名前】ムクガイヤ

【初期人材】サルステーネ

【史実人材】ヨネア、ニースルー、ゾーマ、ヤヌーク

【死亡】王都攻略戦にてゴートⅧ世に敗れ死亡。その後リッチーとしてよみがえる。

 

 

デフォルトの悪役です。具体的に何が悪いかと言うと、

 

①暗黒魔法によって魔界から悪魔を召喚し大陸を混沌に陥れる。

②そのどさくさに紛れて王位を簒奪。

③勝利エンディングでは大陸に恐怖政治による独裁を布く

 

など。

簒奪に関しては今一動機が明らかでないのですが、エンディングで「恐怖政治を理想としていた」ことが明かされるため、単に覇権を握って独裁国家を作りたいという野心のために動いたものと個人的には解釈しています。

 

一方で、割と人望は厚かったのではないかと推察しています。独力でマスタークラスの実力を持つサルステーネが最後まで裏切ることなく付き従っていたり(むしろ裏切ったのはムクガイヤの方)、ヨネア、ニースルー、ゾーマといった、おそらくこの時代の第一線級だったであろう魔術師が悉く従っています。ヤヌークの事を個人的な怒りで殺していますが、それでも人材が離れていった気配はありません。

 

もっとも、ムクガイヤ魔術師団に関しては、もっとパンクな集団のようなイメージもあります。ムクガイヤの魔力に惹かれて集まって来た、多少倫理観や道徳観の欠如したマッドな魔法使いの集まりだったのかもしれません。

 

ルーゼルを呼び出したことについては、いわゆる「闇魔法」ではなく、別の種別の「暗黒魔法」というものに分類される魔法であると書かれています。魔界と契約を行ったり、死後アンデッド化したりといった魔術がこれに分類されるのかと思います。

興味深いのは、4種族+闇魔法をAクラスまで極め、更に暗黒魔法を会得したムクガイヤが、最後まで光魔法を獲得できなかったという点です。一口に「魔法」といっても、どうやら光魔法だけは原理が少々特殊な気配が見て取れます。ムクガイヤのように「光だけ獲得できない」キャラもいれば、僧侶やユネーファのように「他はからっきしだが光だけ極めている」というようなキャラも存在します。魔法の資質だけでなく、信仰心のようなものを併せて初めて会得出来る技術なのかもしれません。

あるいは、暗黒魔法と対立しており、暗黒魔法を会得する過程でどうしても光は諦めざるを得なかったのかもしれませんね。

 

ルーゼルを呼び出したムクガイヤですが、そのルーゼルは必ずしも術者であるムクガイヤの命令を聞く存在ではなく、ルーゼル側のイベントでは召喚したムクガイヤをかなり強く恨んでいることが読み取れます。このあたりからすると、暗黒魔法による魔界からの召喚はいわゆるエレメントのようなものではなく、もっと呼び出された側に主権のある「契約」のようなものだったと読み取れます。ムクガイヤはおそらくこの「契約」の段階で大陸の状況を偽って魔界側に伝えており、それによりルーゼルがトライトとぶつかって力を失う羽目になったのだと考えます。

 

リッチー化についてですが、おそらくこの暗黒魔法の一種と思われます。イベントによると、リッチームクガイヤの大陸制覇後も、生身ムクガイヤと同じく「理想の恐怖政治を確立した」ということが語られています。つまりかなり理性を保った状態でリッチー化しているということであり、パッと聞いてイメージするようなゾンビのような状態になるものとは違うようです。ただし、確実に肉体は腐っており、間違いなく臭いです。

 

 

人材についても見ていきたいと思います。

 

・サルステーネ

暗黒騎士団の団長らしいです。暗黒騎士団というのがどういうものなのかは他に一切記載がありませんが、個人的にはムクガイヤ陣営のシルバーナイトが全員暗黒騎士団所属という事なのではないかと考えています。

ムクガイヤが王位を簒奪した時点ですでに配下になっており、おそらくは謀反前からムクガイヤとの接触があったものと思われます。元から主従関係だったのか、あるいは元は2人とも王家直属の同僚のような立ち位置で、ムクガイヤ謀反と同時に配下に鞍替えしたのか、そのあたりは分かりません。

史実ではムクガイヤがリッチー化した際に配下のバンパイアに殺されたとあります。実力から言えば当然サルステーネの方が上なので、不意打ちのような形だったのでしょうか。サルステーネはムクガイヤに対し忠誠を誓っていた一方、ムクガイヤから見たサルステーネは、力を手に入れた後となっては用済みの、邪魔な存在だったのかもしれません。曹操に対する荀彧のような存在を想起させます。

 

・ヨネア

ムクガイヤ魔術師団筆頭とあります。ムクガイヤが王位に就いた後に各地の高名な魔術師を集めて結成したものと思われます。筆頭というだけあり、魔術師団の中でも随一の魔力を誇っていたようです。

ちなみに、ムクガイヤ魔術師団はシナリオ4の時点で全員が生存しています。一方でシナリオ5では全員がリチムク陣営から姿を消しており、このあたりは戦死したものか何らかの自由で離脱したのか分かりません。しかし、デフォルトのヘルプファイルは死亡した場合はそのように明記されていることが多く、ムクガイヤ魔術師団もリッチー化と同時に志を違えて離脱したか、あるいはサルステーネの末路を見て難を逃れたように思います。

 

・ニースルー

ヨネアと同時加入する、ムクガイヤ魔術師団の一員です。魔術師団中で唯一光魔法が使えたという事で、やや変わり種であることがうかがえます。

不思議なのは、ムクガイヤはその気になればニースルー以外にも光魔法を使える人材をそろえられたのではないか、という点です。ムクガイヤが敢えてそういう人材を避けたのか、あるいは光魔法を使うような信仰心に厚い人材はムクガイヤに寄り付かなかったのか、そのあたりはハッキリしません。おそらくニースルーは、光魔法を体得しながらも少し道に外れた、還俗僧侶のようなものだったのかと思います。

ちなみに、シナリオ4ではヨネアやゾーマがネルザーン砦でアルテナ軍の備えを担う中、魔術師団中ゆいいつ、ムクガイヤ麾下として王都ルートガルトに駐留しています。戦略的な助言を行ったり、あるいは兵站を維持するような役回りが得意だったのかもしれません。サルステーネの項目で荀彧の名を挙げましたが、ニースルーは曹操に対し最も多くの助言を与えたという荀攸を個人的にイメージしています。

 

・ゾーマ

魔術師でありながら接近戦が得意という事で、具体的には高い攻撃力と吸収攻撃を持っています。

こちらは、元々はヨネア、ニースルーとは行動を別にしていましたが、ヨネアの紹介で加入します。ヨネア曰く「友達」ということで、何というか随分軽い感じで紹介されています。

ヨネアとの関係性はその後も良好だったようで、シナリオ4では共にネルザーン砦に赴任し、おそらくは方面軍のような活動を行っていました。

余談ですが、シナリオ3ではムクガイヤ魔術師団全員で北のルーゼルを抑えるような配置がされていますが、シナリオ4では一転してヨネア、ゾーマを東に配置されています。このあたりから、徐々にムクガイヤの脅威がルーゼルからリオーム同盟へ切り替わっていったようなストーリー性が垣間見えます。

 

・ヤヌーク

勝手に仲間になり、ムクガイヤを怒らせて殺されます。

ムクガイヤの残忍さを示す噛ませ犬のような登場の仕方です。鶏肋のエピソードで突然登場して読者を置いてけぼりにしながら何か殺されていった楊脩を思わせます。