人前で緊張しない人はウラで「ズルいこと」やっていた
私はものすごく緊張するタイプです。
学生時代でも前に出て何か発表するときや、社会人になってもいざ自分が人前で何かを言うときにはめちゃくちゃ噛んだり、早口になってしまいます。
緊張が悪い方向にいってしまうタイプなんだろうな、と思います。
何かテクニックでもあるなら教えを乞いたいと常日頃から思っています。
そういうことでこの本を読んでみました。
冒頭には、
緊張しない人などいない。人間は誰だって、「緊張しい」なのだ。
でも、緊張していないように見せることは誰にでもできる。
そして、いくつかの心理テクニックを使えば、緊張や不安をずいぶんと減らすことだって可能だ。
内心は、心臓が口から飛び出るほどドキドキしていても、それを偽装して何ともないように「演技」さえできれば、現実には何の問題もないのだ。
とありますが、人によっても程度はたしかに存在すると思います。
ですが自分に至っては相当レベルだと自覚しています。
この本の著者である内藤誼人氏は、「緊張」に関してのある研究結果をまとめています。
ボストン大学のマイケル・チュゲイドという教授は、人前でスピーチするといった緊張度の高い行動をするときにも、緊張しない人がどうして平然としていられるのかについて調べてみたことがあるのですが、彼らも皆と同様に不安や緊張を感じることがわかったといっています。
ちょっと驚いたのが、肝がすわっている人もごく普通の人と同じように緊張していたというのです。
緊張すること自体は、どうしても避けられません。
しかし生理的に緊張してきた状態は興奮状態とまったく同じなので、意味づけはいくらでも変えられるのだそうです。
つまり「緊張してきたな」と感じたときには、「ワクワクしてきたな」と自分に言い聞かせるようにすればいいというのです。
緊張というネガティブな感情を、興奮というポジティブな感情に置き換えてしまえばいいということ、なかなか難しそうですが、実際にどのようにすればいいのかが書かれてありました。
必要以上には動くな
「人間が緊張するのは、いままでに一度も体験したことがないから。だとすれば、何度も同じ体験をくり返しておけば、そこまで緊張しなくてすむ」と、筆者はそう主張しています。
同じ出来事を何度も体験していくと、私たち人間の感情は鈍くなっていきます。
そこで、緊張しやすいという自覚があるのなら、自分が怖いと思う状況をあらかじめ体験しておくのが手っ取り早いようです。
リハーサルを事前に何度かしておくと、それほど緊張せずに済ませられるといいます。
「すでにやったことをくり返すだけ」という状態にしておけば、感情が揺れ動くこともなくなるので、これを心理学では「行動リハーサル法」と呼んでいるといいます。
ということは、反復行動を繰り返すことで、緊張するシーンでなにを言うべきか、常に考える癖をつけられれば変われるということにもなります。
たとえば「初対面の人と話すのが苦手だ」というのであれば、あらかじめ初対面の人とどんな会話をするのかを頭のなかでシミュレーションし、リハーサルしておけばいいというわけです。(もちろん事前のイメージは大切ですが)
なお、この方法について著者は、「できれば、紙にセリフを書き出してみよう」とも提案しています。
なぜなら「覚えたことを口にするだけ」なので、それを丸暗記しておけば、初対面の人ともうまく話せるようになるからです。
これらの方法は初対面に弱い人の場合、ちょっと手間かもしれませんが効果的にも感じます。
同じように、外国人と英語で話そうとするとビビッてしまうというのであれば、あらかじめ話すことを英作文しておけばOKといいます。
そのとおりに話せばすむのであれば、緊張も不安も緩和されて当然だということです。
タイトルがけっこう引きの強い本でしたが、内容的には地道な努力が必要かな、という印象です。
これら人間は誰しも緊張する生き物であるという前提で、「緊張していないフリ」をいかにするかということにもつながります。
他にも最近月一の社内で一部の人が参加する勉強会があるのですが、程よい緊張感で挑めている気がします。
全員が発言を肯定的に捉えて参考にもなるので楽しいと感じています。
そうした中だと自分の思ったことは話せるものですね。
緊張するような場では、解消するためにも反復練習が必要なので、イメージすることを地道に続けていこうと思います。