TODAY'S
 
脳がクリアになるマインドフルネス仕事術

 

何かタスクをこなしている時に、別のタスクが差し込みで入るとそっちに掛かりっきりになってしまう。

さらにそれが同時にいくつか来ると整理するまでに時間が掛かってしまう...ということがあります。

 

頭の中での整理がついていない証拠だとは思いますが、どれから取り掛かっていいのか優先順位のつけ方が苦手なんだなと思います。

 

そうしたことが繰り返されるとストレスにもなります。

悪循環から脱するためにもマインドフルネスという考え方は必要なんだと思います。

 

この本の冒頭で、マインドフルネスは、ストレスや疲労を取り払い、脳をクリアにしてくれると書かれています。

いかに優秀な人であっても、ストレスや精神的・肉体的な疲労からは逃れられません。

日々の仕事の中で、自分では気づかぬうちに蓄積されていく多大な負荷が、集中力や判断力を鈍らせ、円滑なコミュニケーションを阻害し、どんどんパフォーマンスを低下させていきます。しかし、これを取り払い、脳をクリアにすることができれば、あなたのパフォーマンスは大いに向上するはずだと書かれています。

またマインドフルネスには、集中力や判断力の強化・クリエイティビティの増大・共感性の向上・対人関係の改善など、多岐にわたる効果があることも科学的に証明されているといいます。

いずれもビジネスパーソンにとって嬉しいものばかりです。

 

また、面白いのがこの本の筆者である川野泰周氏はお坊さん、つまり禅僧なのです。

禅僧という立場に基づいて書かれた本書は、「ビジネスパーソンのためのマインドフルネス入門書」です。

 

川野氏の専門性を軸に、精神医学や睡眠医学の観点、マインドフルネスの原点である前のエッセンスを絡めつつ、ビジネスパーソンが実践しやすいマインドフルネスのあり方を提案しているのです。

 

 

  寝起きの頭がスッキリしないときは

朝に弱く、ようやく目覚めても眠気が取れていなくて気が滅入ってしまう…。

だらだら身支度をしているうちに出社時間が近づき、慌てて家を飛び出すことなど経験はないでしょうか。

そんな悩みを抱えている方も少なくないと思います。

その対処法として、寝ている間に休息モードになっている脳を、活動モードに切り替えることが大切なのだと著者は主張します。

 

軽いストレッチやヨガなどもいいそうですが、起き抜けはなかなか体が動かないものです。

そこで、はじめに呼吸瞑想をするといいのだといいます。

たった5回、呼吸に意識を向けるだけで、脳がクリアになってシャキッとしてくるというのです。

瞑想には自律神経を整える作用があるからだといいます。

休息モードでは副交感神経が完全に優位になっていますが、それを呼吸によってちょうどよい状態に戻すことで、脳の血液の循環が保たれ、すぐに動き出せるようになるといいます。

 

この観点は禅僧ならではだなと思います。

呼吸を整えるだけで、十分に自律神経を整える効果があるそうです。

特に低血圧で朝に弱いタイプの人は呼吸が早くなっている可能性が高いため、ゆっくり呼吸することがとても有効のようで、呼吸に意識を向けると「注意力を呼吸に持っていけ!」という指令が脳から出され、さらに自律神経が整うという効果もあるようです。

 

これら禅僧だからこその観点と、科学的観点の両方から教えを見られるこの本は魅力的です。

深呼吸や瞑想なら、まず取り掛かれる方法なので、さっそくやってみたいと思います。