トヨタの片づけ
正直なところ、私は整理整頓ということがとても苦手です。
職場での片付けはある程度やれるのですが、一度家に帰り部屋の片付けなどを行おうとすると苦痛になります。
以前はそうでもなかったような気もするのですが、今はまさしく整理できない性分だと自覚しています。
その反面、仕事では整理整頓の大切さは感じています。
風水的な話でもよく耳にします。
実際に、お店や会社を徹底的にキレイにすると売上や業績がぐんぐんと伸びたという経験を、上司あるいは自分がしています。
私の場合、徹底的にお客様が通った通路の床を時間があれば磨くことに専念していた時期があり、その頃は店舗の実績が3倍以上になったのです。
また不思議なことに、私が離れてからそうした床磨きをしなくなった途端、実績が下降していったというから、『キレイにする』ということでのなんらかの効果があるのでは、と思ってしまいます。
そうした経験から、整理整頓がいかに重要かは身をもって知っているつもりです。
改めて整理整頓の重要さを知るうえで、整理整頓を徹底しているトヨタの取り組みを学んでみようと思いました。
トヨタでは、5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)という考え方があります。
社として片づけの文化が浸透しています。
そして、その点に注目した筆者は、「デスクの上が整然と片づけられている人ほど、段取りよく仕事をこなしています」と断言しています。
整理されていないオフィスは成果が上がりにくいため、「モノの放置」を放っておかないのがトヨタマンだといいます。
ポイントは「いるもの」と「いらないもの」を分け、いらないものは捨てること。
この意識が徹底されていないと、モノの放置が生まれるそうです。
また、片づけに「判断基準」を持つことは、整理することにつながっていくそうです。
たしかに「いるもの」と「いらないもの」の判断基準が不明瞭なら、迷いが生じて捨てられなくなっても当然かもしれません。
そして、身のまわりのものを
・いま使うもの
・いつか使うもの
・いつまでたっても使わないもの
に分けようというのがトヨタの考え方です。
重要なのは、「いつか」には必ず「いつまでに」と期限を設けることだそうです。
しかも期限はできるだけ短くし、終わると同時に処分することを意識しています。
そして整理することで意識改革をしています。
「人はモノを隠したがる」ものですが、ミスを隠そうとするのがいい例です。
しかしそれは悪循環ですから、トヨタは「人を責めるな。しくみを責めろ」を基本姿勢にしているそうです。
ミスした人間を追いつめるのではなく、マイナス情報も迅速に伝えられる風土を作るべきだという考え方です。
この方針は素晴らしいと思います。
人を責めず、なぜミスなどが起こったのか構造を理解し、組織的に改善していく。
マイナス情報が発生しても責めることのない環境作りは、大企業としての取り組みが出来ているのが凄いと感じます。
中小企業でも、マイナス情報は隠したがることは多いと思います。
それをしっかりと報告・共有していく方針が、トヨタをここまで成長させた要因なのかな、とも感じました。
お客様のことを思うと、そうしたマイナス情報はしっかりと伝えていくべきと思いますので、それらを自分も倣っていきたいです。