円安バブルの崩壊

今週は、日経平均が7000円を割り込み、一時期6000円台に突入(最安値7162.90円/10月27日)。1982年来最低の水準まで落ち込みました。「ソニーショック」と「円キャリートレードの巻き戻し」。世界経済史に記録されるキーワードになりそうです。FTでは円安バブルの崩壊について、サブプライム問題を発端とする一連の金融危機の中で「最後の大バブルの崩壊」と位置づけています。

さらに、三菱UFJ、野村HD、三井住友が相次いで資本増強策と赤字決算を公表し、FTは、ついに日本も危機の大波に飲まれてしまったとコメントしています。なんとも皮肉なのが、竹中平蔵元財務大臣がFTに登場した日に邦銀が相次いでニュースを発表したことです。同日、野村HDのCOO柴田拓美氏がリーマン買収劇でいかに活躍したか、好意的な記事が出ていた矢先でした。その後、日本に対して期待をもつ声がぱったり止んでいます。


株価は大底をうったのか?

Short Viewのビデオはこちら

これだけ大変な思いをした一週間だっただけに、大底を打ったのではないかという意見も当然出てきています。本日のShort Viewでは、昨年のハロウィンに株価が天井を打っていることを指摘し、今月の株価暴落が歴史的な大底なのかどうか検証しています。昨年のハロウィンからFTSEワールドインデックスはドル建てで44%下落しています。ちなみに、日経平均が昨年天井を打ったのは7月で18261.98円でした。

まず、50日移動平均と株価の推移です。テクニカル分析では、50日移動平均から株価が大きく外れると必ず反発するとされています。S&P500と50日移動平均との乖離率は15%ということです。


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同じく、日経平均について見た場合、この数日の反発で50日移動平均とほとんど乖離していません。つまり、しばらく上昇余地がないということになります、、。

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さらに、三ヶ月物米国債のレートを見ると、大量のマネーがリスクを回避して安全資産に流れていることがわかり、短期的には株価が反発する余地が大きいことになります。

一方、LIBOR/FFレート(政策金利)のスプレッドを確認すると、確かに危機的な状況と言われたリーマン破綻後、欧米で公的資金が投入されたことで改善はしていますが、まだ異常に高いレベルで推移しています。このスプレッドが縮まらない限り、長期的に株価が回復するとは言えないというのがオーサーズ氏の結論です。

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リーマンの「次」と米国大統領選

現在は、リーマン破綻から生じた余波(パニック売り・パニック買い)が少しずつ収束してきた段階のようにも思えます。しかし、米国のモーゲージ・ローンを根源とする金融機関の問題が、今度は企業のデフォルトリスクの問題に波及していくと、再度株価が暴落する可能性が出てきます。特にGMやクライスラー、フォードなど大規模な負債を抱え、CDSを通じてシステミックリスクに繋がりそうな大手企業の倒産は、リーマン危機に匹敵するブローになります。

一方で、世界から期待が集まっているのは米国の大統領選です。デフォルトリスクが限界まで高まっているデトロイト3の救済、医療や環境分野での明確なヴィジョンの提示などが行われれば、プラスに働くはずです。日本株はあいかわらず「輸出関連株」のイメージが強いので、米国が保護主義に傾くことがマイナス要因になる可能性もありますが、米国の消費が回復する兆しが見えれば恩恵を受けるのではないでしょうか、、。