Rio Tinto alert sparks sell-off
Published: October 15 2008

Demand for steel poised to slow, Posco warns
Published: October 15 2008

Baltic Dry index at lowest since 2003
Published: October 16


株価がまた暴落しました。
S&P500指数は一日で907.84ドルまで9%下落しました。
米国の9月小売売上高が予想を下回り、英国の失業率が5.7%にO.5ポイント上昇したというニュースが悪材料となりました。

テクニカル・アナリストの計算では、次の底値が839.8ドル(先週の金曜日の水準)、さらに768ドル(ITバブル崩壊後の底値)まで下がる可能性が出てきているそうです。ちなみに、日経平均はITバブル崩壊後に7,607円まで下がっています。



一方、FTのジョン・オーサーズ氏は、前回の金曜日の下落と今回とでは少し様子が異なり、下落した株がエネルギーと素材関連株に集中していると指摘しています。エネルギー関連株はマイナス15.5%、素材関連株は12%下落し、昨日発表されたリオ・ティント社のニュースが大きく影響したようです。


豪リオ・ティント社のCEOトム・アルバニーズ氏は、昨日、中国の経済成長が鈍化していると忠告し、同社の資本支出計画の見直しについて明らかにしました。具体的にどの程度計画を縮小するのか明らかにされていませんが、リオ・ティント社を含め鉄鋼メーカー各社がこれまで中国経済について比較的楽観的な見方を示していただけにショックが広がったようです。その前日には韓国の鉄鋼メーカー、ポスコ社も純利益40%増(前年同期比)を公表すると共に、第4四半期の見通しについては中国からの需要が減り、これまで高騰してきた原材料価格が反映されるため厳しいものになると指摘しています。


しかし、9月にはアルセロール・ミッタル社が10-12月期に25%減産、ロシア最大の鉄鋼メーカーセヴェレスタルも25%減産すると発表しており、当然の流れとも言えます。


アルバニーズ氏は、

「同社の第3四半期の売り上げは、大きな伸びを示したが、中国のアルミメーカーのうち、かなりの企業が営業損失を出し始めている。来年まで需要が伸びる見込みはない。」

「中国の経済成長の鈍化は、オリンピックによって多くのプロジェクトが一時停止を余儀なくされたこと、政府が金融引き締め政策をおこなっていたことが要因となっている。中国の国内需要はあいかわらず強いが、中国の輸出産業はOECD諸国の経済動向と無縁ではあり得ず、徐々に影響が出始めている。」

とコメントしています。

“In the near term, the Chinese economy is pausing for breath. China is not completely insulated from an OECD recession and we will see an impact on Chinese exports,” he said.

アルセロール・ミッタル社CEOミッタル氏もほぼ同意見で、第4四半期は中国に在庫が積みあがっているために需要はこれ以上見込めないが、来年上半期から需要が回復するという見方のようです。また、現在下落している原材料価格(ロイターズ・ジェフリーズCRB指数は7月から40%下落している)が反映されれば、来年は持ち直す可能性が高いということにならないでしょうか?



世界の貿易量の先行指数として、バルチック海運指数(ロンドンのバルチック海運取引所が発表する鉄鉱石や穀物など乾貨物(ドライカーゴ)の外航不定期船の運賃指数。)がありますが、5月から85%下落しています。金融機関が貿易取引に必要な信用保証状の発行を渋っているという状況で、その背景には中国が鉄鋼の輸入をストップしている事実があります。ただ、中国がいつまでもオリンピック特需で積みあがった在庫で需要を賄い続けるとは考えられず、一時的な休止状態であるという意見が大半のようです。