FT.comのView from the TopにドイツのM.A.N.グループのCEOハカン・サミュエルソン氏が招かれました。

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ドイツと日本には共通点が多いと言われます。製造業が牽引する輸出型の産業モデル、少子化問題、財政問題など、参考になる点が多いと同時に、強力なライバルとも言えます。

ここ10年の動きを追うと、日本と同じく構造改革、規制緩和を実行し、ビジネス界はアングロ・サクソン型の資本主義モデルへ傾倒していきました。機関投資家の期待に応えるように子会社を売却し、生産性向上を目指すあらゆる改革を進めていきましたが、契約社員の比率が増え、正社員は経済が好調であったここ数年も給与が上がらず、この危機を迎えたというシナリオは日本と似ています。

フィナンシャル・タイムズの記事によると、今回の金融危機でドイツの産業界に異変が出てきています。これまで投資家の関心はM.A.N.やSiemensなどの巨大組織の事業を「選択と集中」によって整理統合し、各企業の生産性を上げることにありました。しかし、今回の金融危機によってヘッジファンドや機関投資家など「もの言う投資家」からのプレッシャーが弱まり、逆にいくつかの事業をもちリスクを分散できる企業が競争力を持ち始めていると言います。

今年創業250年を迎えたM.A.N.グループは、CEOサミュエルソン氏のもとで改革を進め、いくつかの事業を売却しながら、現在の商業用車両(トラック・バス)、ディーゼル・エンジン、ターボ機械の3事業を軸に年間売上高155億ユーロ(約2兆円)のグローバル企業に成長しました。特にトラック事業は、Scania社(スウェーデン)の買収案件を米Volkswagen社に取られ、M.A.N.も買収されるのではないかと危惧する声もあります。



サミュエルソン氏は、今回のインタビューでトラック事業の先行きはあまり明るくないが、事業を分散していることが今回の危機を乗り越える助けになると主張しています。



今回はトラック事業の将来を占う第三部ポイントだけご紹介します。


Part 3 :: on the truck market

得意先企業は原油価格が上がり、銀行からの借入れが困難になってきていることから設備投資に慎重になっている。M.A.N.のトラック販売も落ちてきているが、まだ様子を見ている段階だ。恐らく2009年も業績は低迷し、トラック需要は少なくとも10%は落ち込むだろう。

トラック販売は過去(1990年代始め)に20%以上落ち込んだこともあり、始めての経験ではない。当社は、事業を多角化しているため、この先競争力を発揮することができる。トラック・バス部門が駄目でもターボ機械とディーゼル・エンジンの需要(特に船舶用)はこの先も伸びる。また、当社がこの先もっとも力を入れたいのは中国やインドなど新興国での買収や投資案件だ。現在は長期的な視点で投資を行うには絶好のチャンスだ。

船舶用のディーゼル・エンジンは、造船業が景気循環と関わりなく、伸び続けている。過去に経験したことがないブームだ。世界的な運送量がグローバル化によって急増しており、これは構造的な変化だ。これまで運送されてこなかったようなものが頻繁に海洋を行き来するようになり、さらに大きな船や港湾施設が必要とされている。このような傾向はここ数年見られたが、現段階の注文量からするとさらに数年は続くことが期待できる。もちろん(ターミナル)キャパシティには限界が来るが、そのときにはバス・トラック部門が盛り返しているだろう。

(記事から抜粋)
Mr Samuelsson insists MAN, which is one of Europe’s biggest truck makers but lacks a global footprint, is not under pressure to consolidate with VW and Scania. But he adds that the current downturn in the market is “likely to bring more speed to that”.

サミュエルソン氏は、VWとScaniaとの合併にプレッシャーはないが、今回の景気後退が交渉を早めることはあり得ると認めている。


■ LONG & SHORTとは?
インタビューの後にLONG & SHORTゲームをしていますが、LONGは「買い」SHORTは「売り」ということ。インタビューを受けたCEO全員に対しておこなわれています。