さて、もう一つ、インタビューのご紹介です。
OCT 10 2008 FT.COM
TIM BOND on the rescue plan for UK banks
(ビデオはこちらから)
バークレーズ・キャピタルのティム・ボンド氏(国際アセット・アロケーション部門代表)のインタビューをとりあげます。
英国の救済モデルは1992年のスウェーデンの救済モデルに非常に似ているため、スウェーデンが辿った道から今後について占うという内容です。「スウェーデン・モデル」は、米国でも参考にされているという記事も以前にあり、救済する銀行の株式を政府が買い上げることで、最終的には税金を使わずに済んだというケースです。しかし、スウェーデンの経験から学べることは、救済策によって金融危機から早く脱出することはできても、実体経済の回復には非常に長い時間がかかるというものでした・・・。株価はまだ下落余地があり、2四半期は成長率が下がると予想していますが、歴史上3度目の大チャンスを迎えていると見ています。
インタビューは三部に分かれています。一番重要なのは第2部と第3部だと思います。
PART 1 :: on the rescue plan for UK banks
第一部は、英国の銀行救済策の評価についてです。
救済策は、主に二つのプラン(①資本を直接投入すること ②短期借り入れに対して保証をすること)から成り、非常に有効なものだ。すぐに金融市場が信用を取り戻すというわけにはいかないが、政府の保証があるため、いずれ持ち直す。まだLIBOR/OISスプレッドに影響はでていないが、短期借入れは増えてくるだろう。米国FEDの政策も評価でき、今回の金融危機で最も大変な時期は既に乗り越えたと思う。
“I think we are through the most intense phase of the bank crisis.”
PART 2 :: on the Swedish bank rescue package
第二部から本題に入ります。スウェーデンの救済策との比較です。
今回の救済策は80年代後半から90年代にかけてスウェーデンが直面した金融危機で政府が実行した救済ブラン(1992年9月)に非常に似ている。最初に全ての銀行の負債に対して包括的に保証をし、さらに個々の金融機関に株式を買い上げることで資本を直接投入していった。非常に有効な方法で、金融危機を止めることはできたのだが、実体経済の回復には効果は及ばなかった。
スウェーデンのケースでは問題が表面化する前に政府がプランを実行していたので、今回のケースはより多くの痛みを伴うだろう。市場に対する信頼を回復するのには時間がかかる。70年代を知らない世代が今回の危機に直面すれば、恐ろしくなって貯蓄を増やすだろう。昨年度経験した急激なインフレに対しても危機意識が高まり貯蓄率が増える。結果、消費は抑えられ、景気は低迷する。これは家計と企業双方に言えることだ。さらに米国は巨大な財政赤字を抱え込んでしまっている。
スウェーデンの例に見ると、この悪循環が10年近く続いた。民間セクター向け貸出し残高は89年にピークをつけ、25%下落したのち、99年まで戻らなかった。家計の貯蓄率は12%上昇した。金融危機が表面化する一年前に既に景気後退期に入っていたが、その後3四半期にわたって続き、GDP成長率は11四半期連続で減少する結果になった。
ただし、スウェーデンのケースでは、他国の経済が比較的良好だったために輸出でカバーした面がある。
??!!今回の危機はさらに悪くなるということか?
そうでないことを願うし、中国、インド、ブラジルなどの国で需要を期待できるという見方もある。しかし、スウェーデンのケースから学べることは、金融危機を止めることは政策によって可能であっても、いったん金融危機が起きると爆弾が破裂したようなもので、その波動はかなりの時間をかけて市場と実体経済に広がっていくということだ。
PART 3 :: the outlook for markets
第三部は株式市場について。
マーケットの大方の意見は、この先いくつかの四半期に渡って経済成長率はマイナスになり、企業の収益率が下がるだろうということ。既に下がりきったという見方もあるが、スウェーデンのケースではピークから47%下落している。今回は、金融危機が表面化する前から株価は控えめな評価しかされていなかったという楽観的な前提をとっても、今後2四半期の収益率はマイナスになる。金融危機が発端になったことで問題が助長されるわけではなく、それによって低迷した需要・消費意欲が企業の収益率の伸びを低下させるということだ。
株価の話に戻ると、これからまだ下落する余地がある。さらに10%から15%下がれば買い時ではないかと思う。スウェーデンの例では救済策が実行された1ヶ月後に株価は底をうち、12ヶ月後には+40%、さらに一年後は+20%、またさらに1年後も+20%上昇した。歴史をみると株式で大儲けをするチャンスは2回あった。1921年と1974年だ。今回が3度目のチャンスということだと思う。社債については、安値なので買い時ではあるが、今後もレバレッジが高い企業が破綻するケースは増えるので、注意しなければならない。
OCT 10 2008 FT.COM
TIM BOND on the rescue plan for UK banks
(ビデオはこちらから)
バークレーズ・キャピタルのティム・ボンド氏(国際アセット・アロケーション部門代表)のインタビューをとりあげます。
英国の救済モデルは1992年のスウェーデンの救済モデルに非常に似ているため、スウェーデンが辿った道から今後について占うという内容です。「スウェーデン・モデル」は、米国でも参考にされているという記事も以前にあり、救済する銀行の株式を政府が買い上げることで、最終的には税金を使わずに済んだというケースです。しかし、スウェーデンの経験から学べることは、救済策によって金融危機から早く脱出することはできても、実体経済の回復には非常に長い時間がかかるというものでした・・・。株価はまだ下落余地があり、2四半期は成長率が下がると予想していますが、歴史上3度目の大チャンスを迎えていると見ています。
インタビューは三部に分かれています。一番重要なのは第2部と第3部だと思います。
PART 1 :: on the rescue plan for UK banks
第一部は、英国の銀行救済策の評価についてです。
救済策は、主に二つのプラン(①資本を直接投入すること ②短期借り入れに対して保証をすること)から成り、非常に有効なものだ。すぐに金融市場が信用を取り戻すというわけにはいかないが、政府の保証があるため、いずれ持ち直す。まだLIBOR/OISスプレッドに影響はでていないが、短期借入れは増えてくるだろう。米国FEDの政策も評価でき、今回の金融危機で最も大変な時期は既に乗り越えたと思う。
“I think we are through the most intense phase of the bank crisis.”
PART 2 :: on the Swedish bank rescue package
第二部から本題に入ります。スウェーデンの救済策との比較です。
今回の救済策は80年代後半から90年代にかけてスウェーデンが直面した金融危機で政府が実行した救済ブラン(1992年9月)に非常に似ている。最初に全ての銀行の負債に対して包括的に保証をし、さらに個々の金融機関に株式を買い上げることで資本を直接投入していった。非常に有効な方法で、金融危機を止めることはできたのだが、実体経済の回復には効果は及ばなかった。
スウェーデンのケースでは問題が表面化する前に政府がプランを実行していたので、今回のケースはより多くの痛みを伴うだろう。市場に対する信頼を回復するのには時間がかかる。70年代を知らない世代が今回の危機に直面すれば、恐ろしくなって貯蓄を増やすだろう。昨年度経験した急激なインフレに対しても危機意識が高まり貯蓄率が増える。結果、消費は抑えられ、景気は低迷する。これは家計と企業双方に言えることだ。さらに米国は巨大な財政赤字を抱え込んでしまっている。
スウェーデンの例に見ると、この悪循環が10年近く続いた。民間セクター向け貸出し残高は89年にピークをつけ、25%下落したのち、99年まで戻らなかった。家計の貯蓄率は12%上昇した。金融危機が表面化する一年前に既に景気後退期に入っていたが、その後3四半期にわたって続き、GDP成長率は11四半期連続で減少する結果になった。
ただし、スウェーデンのケースでは、他国の経済が比較的良好だったために輸出でカバーした面がある。
??!!今回の危機はさらに悪くなるということか?
そうでないことを願うし、中国、インド、ブラジルなどの国で需要を期待できるという見方もある。しかし、スウェーデンのケースから学べることは、金融危機を止めることは政策によって可能であっても、いったん金融危機が起きると爆弾が破裂したようなもので、その波動はかなりの時間をかけて市場と実体経済に広がっていくということだ。
PART 3 :: the outlook for markets
第三部は株式市場について。
マーケットの大方の意見は、この先いくつかの四半期に渡って経済成長率はマイナスになり、企業の収益率が下がるだろうということ。既に下がりきったという見方もあるが、スウェーデンのケースではピークから47%下落している。今回は、金融危機が表面化する前から株価は控えめな評価しかされていなかったという楽観的な前提をとっても、今後2四半期の収益率はマイナスになる。金融危機が発端になったことで問題が助長されるわけではなく、それによって低迷した需要・消費意欲が企業の収益率の伸びを低下させるということだ。
株価の話に戻ると、これからまだ下落する余地がある。さらに10%から15%下がれば買い時ではないかと思う。スウェーデンの例では救済策が実行された1ヶ月後に株価は底をうち、12ヶ月後には+40%、さらに一年後は+20%、またさらに1年後も+20%上昇した。歴史をみると株式で大儲けをするチャンスは2回あった。1921年と1974年だ。今回が3度目のチャンスということだと思う。社債については、安値なので買い時ではあるが、今後もレバレッジが高い企業が破綻するケースは増えるので、注意しなければならない。