Sat OCT 11/ SUN OCT 12 2008 FT Page1
Downgrade warning and stake sale talk batter Morgan Stanley

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Sat OCT 11/ SUN OCT 12 2008 FT Page13
Yamato files for bankruptcy as crisis strikes Japan

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大和生命が破綻し、ついに日本にも魔の手が伸び始めたという良からぬ噂が流れはじめています。また、モルガン・スタンレーの格下げされるというニュースで株価が金曜日に36%も下落し、三菱UFJ銀行による出資話は本当に成立するのか疑問視する見方もでてきています。(既に他の買い手候補がでてきているということ)


FTの記事から厳しい声を抜粋すると・・・

“The management must be feeling like a kid in the candy store and behaving accordingly without thinking about the looming global recession,” says one Mitsubishi banker

マネージャー陣は、世界的な景気後退という実情を度外視している。お菓子屋さんでキャンディーを前に歓喜する子供のようだ。(三菱UFJ銀行員)

Government officials tried to portray the bankruptcy as a special case. Yamato Life’s failure “is the result mainly of the company’s unique business model, whereby it covered its high operational costs with returns from investing in securities”, said Shoichi Nakagawa, minister of financial services.

However, some analysts believe it could be the tip of the iceberg. “It looks like the precursor of things to come in Japan,” said one credit analyst.

Many Japanese banks and other financial institutions bought securitisation products which are plunging in value and the question is how much they bought and whether or not they have sufficient capital to cover their losses, she said.


日本政府は、大和生命のケースは特別であり、他の金融機関は問題ないと発表しているが、アナリストの間では、氷山の一角に過ぎないと意見もある。

多くの日本の金融機関が証券化商品を購入しており、その価値は激減している。問題はどれだけ購入し、損失をカバーするために十分な資本をもっているかどうかだ。




さらに、リーマン・ブラザーズのアジア・太平洋部門、欧州・中東部門を吸収した野村HDの動向も気になります。リーマンの話が出る以前から野村HDがインドや中東、アジア各国に積極的に進出する記事が目立ちました。ところが、海外で成功している買収案件のアドバイザーはほとんど欧米の金融機関で、日本の証券会社が海外で成功したというニュースはなかなか出てこなかったのです。今回も、旧リーマンの社員を迎え入れたはいいが、企業カルチャーが違いすぎる(特に成果報酬)ために優秀な人材が流出してしまうのではないかと危惧されています。


80年代後半、円高で欧米から「ジャパン・マネー」が恐れられ、日本の金融機関の現地法人によるディーリング業務や金融商品は、「ハラキリ・スワップ」、「スシボンド」、「フグボンド」と揶揄されていたそうです。実際の利益率は無視して好条件で案件獲得を目指す無謀な案件、日本人にしか通用しない債権というわけです。当然長くは続きませんでした。(註1)


日本の金融機関が世界を舞台に活躍する時代が本当に来るのでしょうか? あるいは、「最後の出し手」という位置づけでも日本は十分に存在感を発揮しているとも言えるのかもしれません。




最後に、これらの記事からフィナンシャル・タイムズと日経新聞の違いが少しわかると思います。FTは、日本の公式の見解に対して一部のインサイダーの情報をもとに記事を書く傾向が強いように思います。世界的な経済新聞なので情報が偏ることは当然であり、逆に日経新聞は他国についての情報は偏り、明らかに誤報と思われる記事もたまに出てきます。

どちらが正しいということはなく、批判的に読むことが必要だと思いますが、FTは世界中で読まれているということもあり、日本がどのように見られているのか知る一助にはなります。



註1:当時東京銀行のロンドン支店に勤務していた倉都氏の本を読むと、現場の様子がよくわかります。サブプライム問題を引き起こし、極限までバブルを膨張させた金融業界のビジネスモデルについて理解できるだけでなく、旧来の金融業界のカルチャーや日本の金融機関のジレンマについて実体験の記述から知ることができる一冊です。


投資銀行バブルの終焉 サブプライム問題のメカニズム/倉都 康行

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