話のやり取りを只々見守っていた妹、恵美が言う。
「 お兄ちゃん達、勝手だよね。自分の事しか考えてない。
もう少し他人の事も考えないと、知らない内に他人を傷
つけてるんだよ。そう言う私も自分の事ばっかりだけど、
でも今回の由紀さんの件にしても、お兄ちゃんの事にし
ても、もう少し思いやりがあっても良かったんじゃない
かな?」
かなり大人びた意見だった。
「 ・・・・そうだよね。恵美ちゃんの言う通りだと思う
よ。でもね、由紀にしてもたかしにしても当事者は分か
らないまま、人を傷つけてるって事自覚してないんだよ
ね。だって必死なんだもん。周りが見えなくなる位。そ
んな気持ちを、恵美ちゃん。持った事ないでしょ?」
その言葉に恵美は言葉を詰まらせていた。
「 ごめんな、恵美も由紀も俺の事で。俺がもう少ししっ
かりしてれば、こんなに傷つけづに居られたかもしれな
い。」
「 それは違うよ。たかしは悪くないよ。由紀が勝手にし
た事だし。事務所にまで迷惑掛けちゃった。」
「 お兄ちゃんの事が本気で好きなんだね。」
その一言に由紀は肯く。居た堪れない気持ちだった。僕は
どうしたら答えが出せるのだろう。
「 ごめん、由紀このまま事務所に行くね。ちゃんとしな
くちゃ。迷惑ばっかり掛けてるからさ。」
「 それなら、俺も行くよ。ちゃんと話しなくちゃいけな
いと思う。」
2人して事務所に向かう事にした。人目を考えて、別々の
タクシーに乗り込んで。