周囲は先程までと一変してざわついていた。その目線の先
それは僕に向けられていた。規制線のように引かれていた
先に居る報道陣までもが、カメラを構えて僕を追っている
のが見えていた。終始それを抑えているスタッフさんまで
もが僕を気にしながら何とか抑えていた。
そんな中で僕に近づく人が居た。
「 神崎・・・・・。お前は本当に人を魅了する逸材だ。
この私までもお前に見惚れてしまう。こう、なんって言
ったらいいのか。如いて言えばお前に恋心を感じさせる
そんな気持ちで今はいっぱいだ。本当にお前は不思議な
力を感じる。」
「 ・・・・そんな。ありがとうございます。」
「 この後の撮影も頼むよ。後、これが終わったらマネー
ジャーと一緒に残ってくれないか?ちょっと話がしたい
と思ってるから。」
「 はい、分かりました、監督。」
声を掛けてきたのは監督だった。思わぬ告白を受けてちょ
っと緊張を感じていた。
その後も撮影は続いた。周りのスタッフさんも以前に仕事
で受けたMVの撮影後の様子に似ていた。ざわつく環境に
一喝する監督の声に周りが畏縮する。
「 たかし、気にしないでいこう。集中すれば周りは気に
ならないから。」
「 玲子さんは、大丈夫なんです?こんな状況だと集中は
難しいと思うんですけど。」
「 私を誰だと思ってるの?私は役者なの。役に徹しれば
周りなんて気にならないわ。」
ここでホントの役者として、女優としての玲子さんを見る
こと、感じる事ができた。