少し落ち着きを取り戻した玲子さん。小畑さんが玲子さんの
両肩に手をやり応える。
「 さあ玲子。神崎の所に行くんだ。気持ちをハッキリ伝え
てその後は玲子、分かるな?」
玲子さんは小畑さんの言葉にうなずいてみんなの元へと戻っ
て来た。小畑さんはそっとその後に付いて玲子さんを見守っ
ていた。
「 みなさんごめんなさい。私の勝手な行動で撮影が遅れて
しまってますよね。本当にごめんなさい。」
そんな殊勝な態度を見た監督が応える。
「 いいぞ玲子。この映画はお前の気持ちで幾らでも良くな
る。今の気持ちが伝わってくる。気にするな。それが乙女
心て奴だろ。いいぞ!続き始めようか。」
「 ありがとうございます・・・・・。」
玲子さんはそっと呟いて、気持ちを作っている様子だった。
「 安心した。玲ちゃんもう大丈夫みたい。」
「 ・・・・うん。」
僕はこの後の言葉の掛け方に戸惑っていた。何て声を掛けて
いいものなのか、未だにそこが分からないでいた。
「 たかし・・・・・・。私、あなたへの気持ちをこの後の
シーンに籠めるわ。それに応えられる?」
「 え・・・、このシーンで?」
なんとも意味深な言葉を告げられた。ホントに応える事は出
来るのだろうか?