由紀の声が僕の気持ちに拍車をかけていた。
『 どう?いい出来になってるでしょ。由紀もさっき見
たんだけど・・・・。ものすっごく気に入ってるの。』
「 ・・・・俺も驚いた。こんな風になるんだなって。」
『 でしょ?たかしも気に入ると思ってた。周りの反応
もいいみたいだし。』
「 え、周りって・・・・。由紀この近くに居るの?」
『 当たり前でしょ。由紀はね・・・・・。ここよ。』
そう言って目の前に止まっていた黒塗りのバンのドアが
開き、飛び出してくる由紀だった。
「 この映像はかなりの効果が見れたわ。きっとこれは
今日のニュースになるわよ。」
「 え、何で?」
「 それは、たかしも目にしてたでしょ。みんなの虜に
するこのミュージックビデオを話題に上げる人達が居
るからよ。ほら、もうネットでは情報が上がってるわ
よ。これは凄い事になりそう。」
「 そうなの?」
「 それに、交通渋滞を引き起こしたって事で、事務所
にも問い合わせが来てるみたい。」
「 それってやばいんじゃないの?」
「 まあ、問題にはさせるかもね。でもこれはこれで、
もの凄い話題の元になって、ニュースにも取り上げら
れるんじゃないかしら?」
僕はこの一連の騒動がとてつもない波を呼ぶとは、思い
もしていなかった。