加工された映像がその場に居た人達の注目となったいた。
問題のシーンを無言で見つめる人、喚起の声と共に見つ
める人。その声に振り向き映像が目に入り立ち止まる人。
多くの大衆の目に映る映像にみんなが引き込まれていた。
そして次に訪れたのは、由紀、恵梨那とのキスシーンが
開けた僕の表情をアップした映像だった。
公開させた映像で、その場に居た人達の行動がフリーズ
する。信号の点滅が始まるが、誰一人としてその場から
動きが見られなかった。信号が変わり車が動き出す。
鳴り出すクラクション。だがそのクラクションを鳴らし
ていた車の住人も映像を見るや否や動きが止まる。
その間もクラクションは鳴り響く。
その場に居合わせた人達の動きが現れたのは、映像が終
わって暫らくしてからだった。急いで交差点から退去す
る人。中にはその場に座り込んでしまい動けずに居た人
も。周りの人達に抱えあげられて移動が済むまでに数分
間。周りには気が抜けてしまっている人も居た様だ。
そんな中で、僕は呆然としていた。由紀の声が聞こえる。
『 たかし・・・・どうだった?』
僕はその声で我に返っていたが、声が出せずに居た。
それでも由紀の声は鳴り響いていた。
『 ねえ、たかし。どうだった?・・・・聞いてる?』
「 ・・・・あ、うん。聞いてる。これって・・・・。」
想いの外映像の出来に僕自身も虜になっていた様だ。